青空がぼくの家 作品情報
あおぞらがぼくのいえ
ジャカルタのスラム街に住む少年グンポル(スナルヨ)は両親と共に毎日を懸命に生きている。一方、高級住宅地に暮らす少年アンドリ(バニュ・ビル)には母親がいない。会社社長の父は仕事に、姉は遊びに忙しく、かまってくれるのは運転手のディミック(ピトラジャヤ・ブルナマ)やお手伝いのバルーンだけ。ふとしたことから知り合った2人の少年は次第に友情を深めていく。アンドリは古新聞や古雑誌を売るグンポルの仕事を手伝い始める。ある日、彼の家に行ったアンドリは、あまりの貧しさに驚くが、ディミックは「グンポルは貧しくない。心が豊かだから」と教えた。やがて、スラム街は不法占拠という理由で撤去され、グンポルの両親たちも収容されてしまう。呆然とするグンポリを、スラム街の詩人は「家がなくても空がある。この空が我々の家なのだ」と慰める。家も学校もいやになったアンドリは、グンポリと2人で彼の祖母を訪ねるてスラバヤの田舎の村に旅立つが、祖母はいなかった。アンドリとグンポルは祖母が住み込みで働いている家を捜し続け、街をさまよううちに泥棒に金と荷物を盗まれてしまう。2人は皿洗いや駐車場の仕事でお金を稼ぎ、路上で生活をしはじめた。ある日、アンドリは駐車場で盗みを働こうとしている例の泥棒を発見し、思わず大声を上げてしまう。邪魔された男は2人を追いかけるが、彼らはなんとか逃げのび、男が持っていた大金の入った財布を拾う。中にあった身分証明書の持ち主に届けたが、相手は自分が盗まれた分しか受け取らなかった。思いがけず大金を手にした2人は、服やおもちゃ、家族へのみやげを買い、デパートで存分に遊んだ。だが、そこで自分を捜す新聞広告を見たアンドリは家族が心配していることを知り、ジャカルタに戻る。駅に着いた彼を、父親がしっかり抱きしめた。その様子を見ていたグンポルは田舎の村に行くことを決意し、何も告げずにその場を離れた。彼が旅立つ日の駅。列車のデッキに立つグンポリにアンドリはいつまでも手を振り続けた。
「青空がぼくの家」の解説
貧富の差の大きいインドネシアで異なる環境に生まれ育った2人の少年の友情に祖国の未来を託した、詩情あふれるジュヴナイル・ドラマ。監督はオムニバス「サザン・ウィンズ」(第1話/ミラージュ)のスラメット・ラハルジョ・ジャロット。彼とハリー・チャヨノの原案を、監督とその実弟エロス・ジャロットの共同で脚色。製作は「チュッ・ニャ・ディン」の女優クリスティン・ハキム、TB・ボーイ・サレフディン、エロス・ジャロット、ドディ・スカサの共同で、ジャロット兄弟とハキムが設立したエカプラヤ・フィルムの第1回作品。撮影はストモ・ガンダ・スブラータ、音楽は数多くの映画音楽を手掛け、「チュッ・ニャ・ディン」で監督デビューもしたエロス・ジャロットとコクイ・フタガルン。主人公の少年たちに扮したのはバニュ・ビル(エロス・ジャロットの長男)とスナルヨ(撮影終了後に監督の養子となった)。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1995年7月22日 |
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キャスト |
監督:スラメット・ラハルジョ・ジャロット
出演:バニュ・ビル スナルヨ ピトラジャヤ・ブルナマ Andri Sentanu Reynaldo Thamrin Wiyono Suwardjo Soeparmi Yati Soemaryo Untung Slamet Karsiman Gadha Baron Achmadi |
配給 | 岩波ホール |
制作国 | インドネシア(1989) |
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