リュミエールの映画のはじまり 作品情報
りゅみえーるのえいがのはじまり
〈工場の出口〉Sortie d'usine7 リヨンにあるリュミエール兄弟社の工場から出てくる従業員たち。 〈馬芸〉Voltige 馬に乗ろうと何べんも飛び乗る人物と、それを指導している馬上の人物。 〈金魚釣り〉庭においた金魚鉢で遊ぶオーギュスト・リュミエールの幼い息子。 〈リヨンの写真会議への到着〉一八九五年にリヨンで行われたフランス写真会議(この会場でもシネマトグラフが上映されている)のために、会議場の前の船着場で船から降りる人々。 〈鍛冶屋〉Forgerons 田舎の鍛冶屋がふいごや金床で仕事をしている様子。 〈庭師〉Le jardinier 庭師がホースで庭に水をまいていると、いたずらっ子がホースを踏んづけて水が出ないようにする。庭師が変だと思ってホースを覗くと、子供が足をどけて水が吹き出し、庭師はびしょ濡れになる。怒った庭師はいたずらっ子を追いかける。俗に“水をかけられた水まき人”(L'arroseur arros)のタイトルでも知られる作品。 〈赤ん坊の食事〉夏の午後、庭先のテーブルで幼い息子に食事をさせるオーギュスト・リュミエール夫妻。 〈消防士の飛び降り訓練〉緊急時に高いところから毛布の上に飛び降りる訓練をする新米の消防士。 〈コルドリエ広場〉Place des Coredeliers リヨンのコルドリエ広場の街頭の模様 〈海水浴〉Baignade de mer 海に突き出した飛び込み台から次々に飛び込む男たち。
「リュミエールの映画のはじまり」の解説
1895年12月28日、パリ、キャプシーヌ街のグランカフェ地下一階、“インドの間”で行われた世界最初の映画の有料上映会で上映された10本のシネマトグラフ作品を、映画生誕100年を記念してまとめたフィルム。いずれも発明者であるルイとオーギュストのリュミエール兄弟が自ら撮影したとされるフィルムであり、自社の工場から出てくる労働者(「工場の出口」)、オーギュスト夫妻とその子供(「金魚釣り」「赤ん坊の食事」)など、現代でいえばホーム・ムービー的な性格の強い作品も含まれる。なおシネマトグラフがマガジンに入るフィルムの長さの関係で作品は長さは11メートル、約50秒前後(手回しなので多少回転速度は変わる)のワン・ショットで完結すると決まっていた。今回の上映プリントは映画の誕生100年を記念してフランスが国家主体で行っている記念事業“映画の第一世紀委員会”が一般劇場公開用にまとめたもので、同委員会委員長の俳優ミシェル・ピッコリ(「美しき諍い女」「五月のミル」)がナレーションを努めている(日本語版は吹き替え)。ちなみに本作は有料興行としてはシネマトグラフの最初の上映となるが、この年の3月22日にパリの写真産業会館で公開上映され、以後リオン、ブリュッセルなどで6回上映、グラン・カフェの興行な七回目の上映にあたる。(日本語版吹き替え翻訳は山田宏一)
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1995年11月4日 |
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キャスト | 監督:ルイ・リュミエール オーギュスト・リュミエール |
配給 | 日本ヘラルド映画 |
制作国 | フランス(1895) |
ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。
P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-11-05
1895年12月28日リュミエール兄弟監督の記念的映画上映会,シネマトグラフの起源,リハーサルをして行う工場労働者の歩く連続写真ー。光リュミエールこそ映画の最も大切な構成要素だった。固定カメラの安定した絵作りは有名な驛舎への列車の到着へと至りスクリーン前の観客はスクリーンを飛び出すかの様な列車に度肝を抜かれ