トラフィック(1971) 作品情報
とらふぃっく
アムステルダムで大きなモーター・ショーが開かれる。フランスのアルトラ社ではユロ氏(ジャック・タチ)のデザインした特製キャンピング・カーを出品予定。社長の息子が女友達のマリア(マリア・キンバリー)を広報担当に任命する。朝、キャンピング・カーをトラックに載せてアムステルダムに出発。しかしトラックはすぐにパンクし、心配したユロはトラックに同乗する。案の定ユロと運転手のマルセル(マルセル・フラヴァル)の旅はガス欠、エンコとご難続き。モーター・ショー開幕の朝、ユロたちはまだベルギーでトラックの修理中。ショーに先についたマリアは心配顔の重役(オノレ・ボステル)と社員のフランソワ(フランソワ・メゾングロス)から事情を聞いて、流行のスポーツ車を飛ばして迎えにいく。マリアはベルギーで二人と合流して先導するが、オランダ国境で入国審査を無視して突破、後からついてきていたトラックも国境無視になり、警察に連行される。荷物検査では警察官たちが独創的な仕掛けだらけのユロの車に感心して、これはなんだ、あれはなんだとすっかり楽しんでしまう。マリアは書類のこともさっぱりわからず、結局一行は一晩を警察で過ごす。翌朝の道中、マリアが今度は交通整理の警官を無視したせいで道路は多重衝突の大混乱、トラックの荷台のキャンピング・カーも壊れてしまう。一行はトニー・バレンソン(トニー・クネッペル)の修理工場に車を持っていく。しかしなんだかバカンス気分に浸ってしまい、修理にまた一日かかってしまう。翌朝にやっと出発。アムステルダムに到着すると、モーター・ショーはもう終わっていた。重役はユロにクビを宣告する。軽く肩をすくめただけで去っていくユロを、マリアが追いかける。突然土砂降りの雨が降り始め、ユロとマリアは相合い傘で、広場を埋める車の間を歩いていった。
「トラフィック(1971)」の解説
現代の自動車社会を風刺した“ユロ伯父さん”ことジャック・タチ監督・主演のコメディ。「プレイタイム」(67)以来四年ぶりのタチの長編第5作で、以前『ぼくの伯父さんの交通大戦争』の題名で特殊上映およびビデオ化されていた作品を、初めて正式に劇場公開。タチがオランダの監督ベルト・ハーンストラ(『Zoo』など)と意気投合したことから生まれた企画で、脚本にハーンストラが協力している。また長編第一作「のんき大将 脱線の巻」(47 、製作当時現像不能で放棄されたカラー版も復元され、「ジャック・タチの新のんき大将」のタイトルで95年10月に日本でも公開)以来全作に協力してきたジャック・ラグランジュも脚本に参加。ハーンストラの協力もあってフランスとオランダが主な舞台となることからスタッフ、キャストにオランダ人が多数参加している。製作は「禁じられた遊び」で知られるフランス映画の重鎮ロベール・ドルフマン。撮影はエドゥアール・ヴァン・アンダンとマルセル・ウェイス、美術はアドリアン・ドゥ・ローイ、編集はモーリス・ローマンとタチの長女ソフィー・タチシェフ。音楽はシャルル・デュモン。なおタチの作品にはこのあとスウェーデンのテレビ局のためにビデオで製作した映画サーカス『パラード』(フランスなどでは劇場公開されたが、日本ではビデオ発売のみ)があるが、純然たる劇映画としてはこれが最後の作品にあたる。2014年4月12日より、東京・渋谷 シアター・イメージ・フォーラムにて開催された「ジャック・タチ映画祭」にてコマ落ちしていた4分間を復活させた完全版(97分)を上映。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1995年6月23日 |
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キャスト |
監督:ジャック・タチ
出演:ジャック・タチ マリア・キンバリー マルセル・フラヴァル オノレ・ボステル フランソワ・メゾングロス トニー・クネッペル |
配給 | 日本ヘラルド映画 |
制作国 | フランス イタリア(1971) |
上映時間 | 96分 |
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