プロヴァンス物語 マルセルの夏 作品情報
ぷろばんすものがたりまるせるのなつ
一八九五年、マルセルは南フランスのマルセイユに近いオーバーニュに生まれた。父のジョゼフは小学校教師、母のオーギュスティーヌはお針子をしている美しい女性であった。マルセルが3歳のとき、一家はサン・ルノーに引越すが、その頃彼は字が読めるようになり、早熟を心配した母は、6歳になるまで字を読む事を禁じてしまった。やがて彼にポールという弟ができた。1900年、妹が生まれ、マルセルの世話をしていたローズおばさんが結婚した。そしてマルセル9歳の夏、一家は田舎の別荘を借りる事にした。病弱な母に新鮮な空気を吸わせるためだ。そこはまるでおとぎの国、マルセルにとって生涯で最も美しい日々の始まりでもあったのだ。初めての自然との対話、全てが幸福に満ちあふれている……。しかし、夏が終わり秋が訪れると、都会に帰りたくないマルセルは“仙人”になろうと父母に別れの手紙を書き、別荘を抜け出すが、急に怖くなってもどってきた。手紙は元のまま置いてあったが、朝食のとき、父は「きっと“仙人”の綴りも書けないだろう」とささやき、ハッとするマルセルを母は厳しく、そして優しくみつめていた。その日、降り出した雨は涙のようにマルセルの心を濡らした。かくして夏は終わり、マルセルは両親の大らかさに触れる事で、一つ大人になっていったのだった。
「プロヴァンス物語 マルセルの夏」の解説
19世紀末の南フランスに生まれた少年マルセルとその周りの人々の交流をノスタルジックに描いた心優しきヒューマン・ドラマ。本作と「マルセルのお城」の二部作で成っている。監督は「ぐうたらバンザイ!」のイヴ・ロベール、脚本はロベールとジェローム・トネール、ルイ・ヌスラの共同、撮影はロベール・アラズラキ、音楽はウラジミール・コスマが担当。「愛と宿命の泉」の原作者マルセル・パニョルの回想録が基になっている。出演はフィリップ・コーベール、ナタリー・ルーセル、ジュリアン・シアマーカほか。2018年8月4日よりデジタルリマスター4K版が順次公開(配給:オンリー・ハーツ)。
フランスの国民的作家マルセル・パニョルの自伝的小説「少年時代」三部作を映画化した二部作の第1作をデジタルリマスター4K版でリバイバル上映。お針子の母と教師の父の間に生まれた少年マルセルは、家族とともにヴァカンスを過ごすため、丘陵のヴィラへと向かう。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1991年8月24日 |
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キャスト |
監督:イヴ・ロベール
原作:マルセル・パニョル 出演:フィリップ・コーベール ナタリー・ルーセル ディディエ・パン テレーズ・リオタール ジュリアン・シアマーカ ヴィクトリエン・ドラマール |
配給 | アルバトロス |
制作国 | フランス(1990) |
上映時間 | 105分 |
(C)gaumont-tf1 films production
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