P.N.「山の中の女」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2021-02-23
※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]
玉音放送と共に妾宅で産まれた男の子は「光明」と名付けられ明るい前途を予感されるが、悲劇だった。林家を通して台湾の悲劇を誠実に淡々と撮っていく監督の大きい熱量と力量を感じた。文清と寛美が筆談をするローレライの場面がとても美しく大好きだ。文清を演じるトニーレオンの悲しい眼差しが素晴らしい。同じ房にいて処刑された仲間の遺族へ遺品を届ける場面、最年長の子供が健気に直立不動していた。監督は子供を撮るのが上手いな。文雄の葬式と結婚の列の感動的な超ロングショットを繋ぎ合わせる巧みさ。「賭博」「ヤクザ」(林家はヤクザ)が良く出てくるが、監督はヤクザが好きなのね?食事の場面はいつも家父長のお爺さんが真ん中で食べていて、何があっても家族で「食事をする」ことがとても大事なことなのだ、と感じた。