P.N.「山の中の女」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2021-09-29
私も緑豊かな田舎に住んでいるので、現在に対して郷愁を感じてしまいます。ふと何気ない瞬間に。これ程素晴らしい青春を描いた映画を観れるなど思ってもいませんでした。何よりも二人の眼差しが眩しかったです。シンシューフェンを監督が追いかけて橋の上でスカウトしたのも頷けます。アワンを演じた人、監督の言う通りに痩せて日に焼けたそうで、雰囲気出ています。でも数年前に若くして亡くなってしまい残念です。他の演者も素晴らしく、特に人間国宝の李天録さんはいい味出てます。アフンの勤め先の女性、坊やの人形から侯監督の作品に出ている美人の常連さん。母親役の梅芳さんも。印刷屋の女将さん、ニューウェーブの監督の奥さん、素人だけど上手いです。あと、軍隊に入って何気に大陸の人の様子とかも知れて良かった。最後は悲しいが、母親は昼寝、祖父は畑仕事でさつまいもの出来をぼやく日常で救われる。脚本家の呉念真が元とは大分違ってしまったと言っていたが、とても素晴らしい純愛物だと思う。奥さんが嫉妬して泣いたのも頷ける。とにかく観賞後は心洗われる名作だった。