アフリカの女王 作品情報

あふりかのじょおう

一九一四年、欧州で戦乱が起った頃、アフリカのドイツ領コンゴでは、ドイツ軍が村の掠奪を行い、宣教師はそのショックで死んでしまった。彼の妹ローズ・セイヤー(K・ヘプバーン)は天涯孤独の身となった処を、カナダ生れの飲んだくれ男チャーリー・オールナット(H・ボガート)に引き取られた。チャーリーは村々に食糧や郵便をくばる蒸気船「アフリカの女王」号を操っていたが戦争の終るまで仕事をやめて引こもろうと決心した。しかしローズは、川を下って下流の湖に碇泊しているドイツ砲艦「ルイーザ」に近づき、舟もろとも魚雷をぶつけて撃沈しようと言い張った。やっとみこしをあげたチャーリーは、彼女と共に川を下りはじめたが、雨が降っても彼女の居る被いの中には入れて貰えず、秘蔵のジンは川に捨てられてしまう始末だった。やがて舟はドイツ砲台の前を通過、エンジンをこわされ、やっと逃れると激流にはまって矢のように岩の間を滑り出した。エンジンが直った時二人は思わずキスし、以後、曲ったスクリューを一週間もかかって叩き直したり、マラリアにおかされたチャーリーをローズが必死に看護したりする苦労を重ねて、ようやく湖にすべりこんだ。二人はひそかに舟に魚雷をとりつけ、夜と共に「ルイーザ」に向け突進したが、波が高く寸前で転覆、沈没してしまった。二人は「ルイーザ」に捕われ、スパイとして絞首刑を宣告されたが、チャーリーは執行前にローズとの結婚式をあげさせてくれと頼み、許されて二人の式が行われている時、突如「ルイーザ」は大爆発を起した。沈んでいた「アフリカの女王」に乗上げたのであろうか。チャーリーとローズは、意気揚々岸へ泳ぎはじめた。

「アフリカの女王」の解説

製作者S・P・イーグルと監督者ジョン・ヒューストンの組織するホライズン・プロが、英国のロミュラス(「パンドラ」)と提携した一九五一年度色彩活劇。C・S・フォレスターの原作から、「タイム」の映画批評担当者ジェームズ・エイジイとジョン・ヒューストン(「キー・ラーゴ」)が脚色、ヒューストンが監督した。撮影は「黒ばら」のジャック・カーディフ、音楽は「老兵は死なず」のアラン・グレイの担当。主演は「キー・ラーゴ」のハンフリー・ボガート(本作品で五一年度アカデミー賞授賞)と「アダム氏とマダム」のキャサリン・ヘップバーンで、以下「大空に散る恋」のロバート・モーレイ、「三十六時間」のピーター・ブルらが助演する。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督ジョン・ヒューストン
原作C・S・フォレスター
出演ハンフリー・ボガート キャサリン・ヘップバーン ロバート・モーレイ ピーター・ブル セオドア・バイケル ウォルター・ゴテル ジェラルド・オン ピーター・スワンウィック リチャード・マーナー
配給 BCFC=NCC
制作国 イギリス(1951)
上映時間 105分

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、4件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-06-08

この映画「アフリカの女王」の原作は、セシル・スコット・フォレスターの小説で、有名なイギリスの海洋小説であるホーンブロアシリーズの作品なんですね。

私はこのホーンブロアーシリーズやアレクサンダー・ケントのボライソーシリーズが大好きで、以前はよく読んだものでした。

この映画は、「帰らざる河」によく似た展開です。
見知らぬ男と女が、一艘の船に一緒に乗るはめになり、危険な急流を何度も突破しながら、川を下っていくのです。

最初はお互いイヤな奴だなと思っていたのに、だんだんと打ち解けていき、さらに恋愛感情も芽生えていく、その過程が細やかに描かれていますね。

船と言っても小さな蒸気船で、船長はハンフリー・ボガート扮するチャーリー・オールナットで、同乗するのはキャサリン・ヘプバーン扮するローズ・セイヤー。

第一次世界大戦下のアフリカで、宣教師の兄とともに布教活動をしていたローズでしたが、ドイツ軍が村を襲撃し、兄はそのショックで病死してしまいます。

最終更新日:2024-06-18 16:00:01

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