天井桟敷の人々 感想・レビュー 2件

てんじょうさじきのひとびと

総合評価5点、「天井桟敷の人々」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-12

このマルセル・カルネ監督の「天井桟敷の人々」は、第1部「犯罪大通り」と第2部「白い男」で構成されていて、壮大な愛憎絵巻を展開して見せる作品だ。

ドイツ占領下のフランスで、3年カ月の歳月をかけ、豪華なセットや衣装、最高の俳優によって、この芸術作品を完成させた、マルセル・カルネ監督のレジスタンス魂は、今観ても、強く心を打つものがある。

マルセル・カルネ監督は、このドラマを民衆の燃え上がるような
狂気の中に、描き上げていったと思う。

恋とは何か?人間のたとえようもない命のほとばしり。
特に凄いのはラストだ。
去って行く女を追って、青年が走る。

彼を押し包むようにして、民衆が踊り狂う。
この民衆のエネルギーこそ、フランス人のエネルギーの表明であったのだろう。

それはそのまま、ナチスに対して、決して屈服することのない、フランス人魂の表明だったのだ。

そして、三大スターの素晴らしい名演技。
犯罪通りのセットも敬服に値する。

P.N.「グスタフ」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2019-10-09

ナチス・ドイツ軍占領下で制作された壮大なメロドラマ。大人の恋愛映画の名品。愛欲描写の上品な怪しさに、この映画最大の魅力があり、密度が濃い。主人公バティストを演じたジャン=ルイ・バローの完成されたパントマイム含む演技の素晴らしさ、ヒロインガランスを演じたアルレッティの溢れる女性の魅力、バティストの妻ナタリーを演じたマリア・カザレスの情熱的な愛の吐息。戦時中の時局に抵抗するような、恋に生き、恋に悩み、恋が人生全ての男と女を描くフランス映画人の矜持に圧倒されます。

最終更新日:2024-05-22 16:00:02

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