ジープの四人 作品情報
じーぷのよにん
一九五〇年。オーストリアの首都ウィーンは、米英仏ソ四国によって分割占領され、中央区だけが共同管理をうけている。今月はソ連が当番国なので、ソ連MPワシリイ・ウォロシェンコ(Y・ヤーディン)は、アメリカMPビル・ロング(R・ミイカア)、イギリスMPハリイ・スチュワアト(M・メドウィン)、フランスMPマルセル・パステュウル(ディナン)の同乗したジープの指揮をとって町々を巡察した。ビルとワシリイは五年前共に泣いてヒットラアの死を喜び合った仲だが、歳月は二人の心を引きはなした。ジープは無電で命令を受け、ソ連人に訊問されているフランツィスカ(V・リンドフォルス)を保護した。ソ連の収容所にいる彼女の夫が脱走したというので取調べを受けていたのだった。四人は彼女をマルセルの家に連れて行った。翌日、捕虜帰還の報に停車場へ出かけた彼女はむろん夫には会えなかったが、彼が脱走してウィーンに潜入していると聞かされた。しかしワシリイの上官は夫が国境で死んだと発表し、それを聞いた彼女は自殺を図った。一方アメリカ軍は、夫のウィーン潜入の確証をつかんだソ連の抗議によってフランツィスカの引渡しを承諾した。四人は彼女を自殺から救ったものの、夫と再会して抱き合う彼女を直ちに追わねばならぬことになった。ワシリイは上官の命のまま、夫と共に逃げるフランツィスカを射とうとし、それを止めたビルと遂に決裂した。その時夫が足場を失って墜落、負傷した。フランツィスカの悲鳴をきいた途端、四人の間にはもはや憎悪は消え去った。フランツィスカと夫とをアメリカ地区の病院に送りこんで、ビルとワシリイはタバコの火をつけ合い、そして四人は再びジープに乗込んだ。
「ジープの四人」の解説
セミ・ドキュメンタリー・スタイルをもって戦後ウィーンの四国管理を描いた一九五一年製作のスイス映画。レジスタンス映画「最後のチャンス」を監督したレオポルド・リントベルクが演出し、MGM映画「捜査」でアカデミイ賞を得たリヒャルト・シュヴァイツァが脚本を書いている。撮影はエミール・ベルナ、音楽はロバート・ブラン。主演は「シンゴアラ」のヴィヴェカ・リンドフォースの他、アメリカ俳優ラルフ・ミイカア、ヨゼフ・ヤーデン、イギリス俳優マイケル・メドウィン(アンナ・カレニナ)、フランス俳優ディナン、ポーレット・デュボーらが共演。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:レオポルド・リントベルク
エリザベス・モンタギュー
原作:リヒャルト・シュヴァイツァ 出演:ラルフ・ミーカー ヨゼフ・ヤーデン マイケル・メドウィン ディナン ハリー・ヘス ハンス・プッツ ヴィヴェカ・リンドフォース ポーレット・デュボー |
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配給 | 新外映 |
制作国 | スイス(1951) |
上映時間 | 80分 |
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