P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- なし
- 投稿日
- 2024-07-22
どうしてもお上品ぶった神を、土俗信仰のシャーマンの次元に引きずり下ろしたことによって、人間の、神や運命に対する恐れというものが、より赤裸々に出たような気がします。
そしてまた、王家の人々も、決して豪壮なお城に鎮座しますお偉いさんといった風ではなく、まるで部族の族長といった感じなのです。
これは何もパゾリーニ監督が、奇をてらったのではなく、人間と人間のつながりを、より素朴なところから問い直そうとしたからでしょう。
まさに、文明の初源の姿です。だから、タブーと信仰という、なんとなく、わかったつもりになっていた問題を、一種の荒々しさでもって納得させてくれるんですね。