野獣の抱擁 作品情報
やじゅうのほうよう
十九世紀中ごろのカナダ、ブリティッシュ・コロムビアは未開で、移住者たちは、野獣のように危険な毎日を送っていた。逞しい体と、不屈の闘志を持つジャン・ラベート(O・リード)が、三年間もの間、山奥で猟を続け、村に現われた日は、ちょうど年二回の貨物船が着く日であった。船は開拓村の必要物資や、ドレイ女たちを乗せていた。村の男たちは、その女を、七百五十ドルで強引に自分の妻にするという習わしであった。ラベートも妻をほしがっていたが、ドレイ女をかいそこねた。そこで彼は、村の雑貨商が女中代りに使っていたイブ(R・トウシンハム)に目をとめ、千ドルで買った。イブは十年前に両親をインディアンに殺され、その時の恐怖でしゃべれなくなっていた。いやがるイブは力の強いラベートにむりやりカヌーにのせられてしまった。森で恐怖の一夜を明かし、二人はラベートの家についた。家とはいっても丸太づくりの小屋で、ここで暮らすことになるかと思うと、イブの心は晴れなかった。翌日からラベートは、イブに猟のやり方を教え始めた。ある日、山深く獲物を求めてひとり猟に出かけたラベートは、突如背後からクーガーに襲われ、クーガーは射殺したが、はずみで、片足を熊の罠にはさんでしまった。足を引きずりながら小屋に急ぐラベートに、傷口から流れる血のにおいをかいだ狼の大群が、次々におそいかかった。ラベートの帰りをまっていたイブは、遠くに狼のうなり声とラベートの声を聞き、銃を持ってとびだし、彼の元へ走り、狼をおいはらった。が、ラベートの足は化膿し、医者もいないまま、イブがその足を斧で切断した。食うために、イブも猟をはじめた。そんなあけくれに二人の心はいつか接近した。ある日イブは小屋をとびだし、カヌーで川を下った。途中、急流にのまれ気を失ったイブは、インディアンに助けられ開拓村に送り届けられ以前から彼女を好きだった男と結婚することになった。が、結婚式の日、イブは教会にはあらわれなかった。その頃イブは、ラベールのもとに帰っていた。
「野獣の抱擁」の解説
デイヴィッド・オズボーンのオリジナル・シナリオをシドニー・ヘイヤーズが監督した。撮影は「第三の男」でアカデミー撮影賞を獲得したロバート・クラスカー。出演は、「蜜の味」「ドクトル・ジバゴ」のリタ・トゥシンハム、「ジョーカー野郎」のオリヴァー・リードなど。製作はジョージ・H・ブラウン。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:シドニー・ヘイヤーズ
出演:リタ・トゥシンハム オリヴァー・リード |
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配給 | ディズニー映画 |
制作国 | イギリス(1967) |
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