P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-11-08
不安と苦悩を顔に刻み続けた、この中年の男ディエゴ(イブ・モンタン)は、反フランコ派の闘士として、スペインからパリに移住して、25年間地下工作を続けてきた。
1965年4月20日、彼は突然、スペインのバルセロナに行くことになった。
それまでの3日間に絞って、地下工作者の行動と状況を、アラン・レネ監督は、情感を込めて描き出す。
それはヒリヒリするような緊張の連続だ。
ディエゴの一つ一つの仕草や、表情が細かく捉えられていて、いつしか、観ている私はディエゴと同じ体験をし始めるのだ。
政治と愛情の関係がわかりやすく描かれていて、ディエゴの男っぽさ、筋金入りの意志の強さに共感させつつ、その戦争はまだまだ続いていることを、強く印象づけている。
イブ・モンタンは、何気ない仕草や表情に、"男"を滲み出させて、実にうまい。