荒野の1ドル銀貨 作品情報
こうやのいちどるぎんか
一八六五年。南北戦争が終り、南軍捕虜は北軍から解放された。ここ、北軍駐屯所では、捕虜を釈放するとき、武勲にすぐれた兵士たちに、銃身のほとんどを切りとった、一ヤードそこそこしかとばない拳銃を渡した。その、解放された兵士たちの中に、拳銃さばきの名手ゲイリー(M・ウッド)とフィルの兄弟がいた。弟のフィルは一獲千金を夢見て、西部にでかけ、兄のゲイリーは、故郷のバージニアにいる妻ジュディ(E・スチュァート)のもとに帰った。別れぎわにフィルは、わが家の柱時計の中にかくした貯金をゲイリーに託した。数日後、妻に再会し、その無事を確かめたゲイリーは、弟の貯金から、一枚の一ドル銀貨をお守りとしてー胸のポケットに入れ、再びフィルの後を追って、西部に旅立った。まず、ゲイリーが到着した町は、無法者たちが狼籍をきわめるイエローストーンであった。ゲイリーは早速その拳銃さばきを買われて、町の顔役マッコリーの用心棒にやとわれた。最初の仕事は、マッコリーに敵対する男“ブラッキー”を倒すことだ。が、いざこの“ブラッキー”に対峙してみると、この男は、実は弟のフィルその人であった。が、後むきのフィルは、兄とは知らず、ふりむきざま、抜き射ちにゲィリーを射った。と同時にフィルも待ちうけていたマッコリー一味の銃弾の雨に倒れた。だがゲィリーは、胸ポケットの一ドル銀貨に銃弾があたり、奇跡的に命びろいした。かくて、復讐の鬼と化したゲイリーは、弟の仇マッコリーを討つべく、あの手この手の機略縦横。一方のマッコリーも、町のシェリフを抱きこみさらに、ゲイリーを訪ねてやって来た彼の妻ジュディを人質にしての防戦。だが、ゲィリーの奇略が功を奏してマッコリー一味と悪徳シェリフは暗やみの中で同士討ちして、その大半は全滅。遂にゲイリーとマッコリーは相対した。だが、マッコリーはジュディを人質にして、ゲイリーの前にたった。仕方なく、ゲイリーは腰の拳銃をマッコリーの前に投げだした。マッコリーは奪った拳銃でゲイリーを射った。が、その拳銃は北軍からもらったいわくつきのもの、命中するはずがなかった。ゲイリーはマッコリーを倒し、ゲイリー夫妻は幸福をとりもどした。
「荒野の1ドル銀貨」の解説
ジョージ・フィンレーのシナリオをカービン・J・パジェットが監督したイタリア製西部劇。撮影はトニー・ドライ。音楽はジャンニ・フェリオ。出演はモンゴメリー・ウッド(ジュリアーノ・ジェンマ)、イヴリン・スチュワート、ピーター・クロスなど。イーストマンカラー、トータルスコープ。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:カルヴィン・J・パジェット
出演:モンゴメリー・ウッド イヴリン・スチュワート ピーター・クロス ジュゼッペ・アドバッティ フランク・ファレル Tor Altmayer マックス・ディーン アンドリュー・スコット |
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配給 | 東京第一フィルム |
制作国 | イタリア フランス(1965) |
ユーザーレビュー
総合評価:4点★★★★☆、1件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-12-30
この「荒野の1ドル銀貨」は、マカロニ・ウエスタンのスターであるジュリアーノ・ジェンマの代表作。
今回、改めて観直してみて、こんなに面白い西部劇だったとは。
凄い、凄すぎます。何が凄いって、冒頭の幾つかのエピソードが、しっかりとラストシーンの伏線になっていることだ。
西部劇には珍しく、夫婦愛がきっちりと描かれていて、本当に洒落た脚本になっている。
監督と脚本は、カルヴィン・ジャクソン・バジェツトというペルージャ生まれの人だ。
西部劇のツボを知り尽したカトーリーの面白さ!!
脱帽です。恐れ入りました。
南北戦争後の不安定な状況が、物語のベースになっていて、これほど面白いのに、知る人ぞ知るマカロニ・ウエスタンだというのが、とても残念な気がします。