ナポリの饗宴 作品情報
なぽりのきょうえん
ナポリの辻音楽師サルヴァトーレ・エスポジト(パオロ・ストッパ)一家が狂言廻しになって、この歌物語が展開される。 《ミケレンマ物語》三百年前のナポリ。青年ミケーレが男たちと船に乗組んで働きに行っている間にサラセン人がナポリを襲い、ミケーレの恋人アンジェラは辱めを受けた。ミケーレが帰ってきたときアンジェラは崖から海に身を投げて自らの命を絶った。 《プルチネッラの物語》プルチネッラ(レオニード・マシーン)は、ナポリの精神を体現する仮面劇役者。出演中、彼はばったり倒れ、楽屋へ運ばれたが息絶えた。しかし、プルチネッラの精神は、その仮面とともにいつまでも生きて行くであろう。 《惚れ薬の物語》町の娘ブリジダ(マリア・フィオーレ)は木綿売りの青年(アントニオ)に片想い、怪しげな薬売りに惚れ薬のおまじないをしてもらっても効力はさらになく、青年がお針子カルメリーナ(マリア・ピア・カジリオ)にキスしたと聞いて、憤慨したブリジダはカルメリーナと大喧嘩をはじめる。 《シジーナの恋物語》写真モデルのシジーナ(ソフィア・ローレン)には作曲家ルイジーノ(ジャコモ・ロンディネッラ)という恋人がいたが、シジーナが舞台に出て有名になるにつれて二人の間は遠くなって行った。第一次大戦が二人をまた結びつけたのも束の間の喜び、ルイジーノは戦死してしまった。 《マルゲリータの物語》ある夜、マルゲリータ(イヴェット・ショオヴィレ)の家へ、彼女の恋人だった町のボス、ドン・ラッファエーレ(フォルコ・ルリ)が刑を終えて訪れる。同じ頃ならず者エンリクッチョも来た。が、彼女の部屋にはすでに船員のドン・アルマンドが来ていた。三人の対決はドン・アルマンドの死をもたらす--マルゲリータはわが身の悲運に息絶えてしまった。--かくて物語はフィナーレになる。サルヴァトーレ一家は、夜のとばりの落ちたナポリの道をトボトボと去って行く。
「ナポリの饗宴」の解説
「ヨーロッパ一九五一年」(出演)のエットーレ・ジャンニーニが原作・脚色・監督に当った色彩ミュージカル1954年作品。脚色はジャンニーニとジュゼッペ・マロッタおよびレミジオ・デル・グロッソの三人が協力した。パテカラー(プリントはテクニカラー)の撮影は「肉体の誘惑」のピエロ・ポルタルーピ、音楽はラファエーレ・ジェルヴァジョである。出演者は「ドン・カミロ頑張る」のパオロ・ストッパ、新進女優ソフィア・ローレン、「鷲の谷」のナディア・グレイ、「かすかな希望」のマリア・フィオーレ、「嘆きのテレーズ」のマリア・ピア・カジリオ、「恐怖の報酬」のフォルコ・ルリ、「ホフマン物語」のレオニード・マシーン(本作品の振付も担当)ほか舞踊団や歌手も多く出演している。この作品は1954年カンヌ国際映画祭で国際大賞を受賞した。
公開日・キャスト、その他基本情報
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