P.N.「水口栄一」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2020-05-24
シェークスピアはよく読んだ。ハムレットはとても印象に残っている。だからこの映画を観た時、改めて深い悲しみと共に人生というものを考えさせられた。最高の作品だ。
はむれっと
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シェークスピアはよく読んだ。ハムレットはとても印象に残っている。だからこの映画を観た時、改めて深い悲しみと共に人生というものを考えさせられた。最高の作品だ。
様々な作品が作られてきましたがこのハムレットは最高傑作だと思います。石造りの宮殿の窓にカーテンが落ちる様まで全てが絵のようで、シェイクスピア以上に作品を理解し創造しているとまで感じます。アナスタシア・ベルチンスカヤは少しほっそりしていて苦悩する王子に振り回される?
娘を演技だけでなく姿でも表現しています。当時この作品でスモクトノフスキーに夢中になった中学生の私は「チャイコフスキー」で来日した際に、恥ずかしくも彼のハムレットの姿を油絵に描き羽田空港に渡しに行きました。あんなことはあとにも先にもあれ一度限りです。
わが映画遍歴のオリジン。12才の少年は、初めての淀川長治さんの(日曜洋画劇場)でこの作品に出合い、それまで生きてきた中で一番感動しました。人生観が変わる衝撃でした。インノケンティ・スモクトゥノフスキーの繊細でしなやかな名演。アナスタシア・ベルチンスカヤのオフェーリアの儚げな美しさ。自然美と幻想的な世界が見事に融合したモノクロ映像。ショスタコーヴィチの重厚な音楽。そしてコージンツェフの柔軟にして牢固な演劇的演出の完成度。すべてが素晴らしい。人間ハムレットを感じるシェークスピア映画の最高作品。