魔の大岩壁に挑む 作品情報

まのだいがんぺきにいどむ

タトラ山脈はチェコとポーランドの国境山脈である。撮影隊は、この北辺のアルプスの四季をフィルムに収めるべく先ず出発点ブラティスラバに出掛け、古戦場などを経て“白い水”と呼ばれるビーロボデスカという谷間の氷河地形を紹介する。最初の仕事はリスに似た小動物のマーモットの撮影。二千メートルの高地で信じ難い天気が三週間もつづき、冬眠からさめたマーモットをやっと撮した。下界は初夏で名物の川のほとりには若い男女が日光浴をしたり山との対比が信じられない程だった。次に最もけわしく深い山地、オストルバの南面に鷲の巣を撮影するためにザイルたよりの決死的撮影をする。そして、秘境といわれる万年雪の谷へ一行は出掛けた。数千万年前の氷河時代の花々、学名「ブランチネクタ・パルドーザ」という豊年エビ、ここはこれら珍しい動植物の宝庫であり、さらには絶滅しかけている動物を保護している自然公園でもある。この自然ドラマに人間の主人公が登場、ロムニツキー・シテット西壁の勇壮なロッククライミング。岩壁の半ばの岩の突きでたオーバーハングが最大の難所でこのルートを初めて登ったパーティーが打こんだハーケンが一本残されておりこの一本が人間の唯一のこの壁を登る足がかりである。二人の若いアルピニストはこの一本のハーケンを頼りに必死に山と闘う姿、これが崇高なクライマックスともいえるだろう。

「魔の大岩壁に挑む」の解説

この長篇記録映画はチェコスロヴァキアの高峰タトラ山脈、その中でも登はん不可能といわれている、大岩壁に挑んだ貴重なドキュメンタリーで一九六一年四月二十日から十月二十一日の間行われた撮影の末、完成された山岳映画。監督のカロル・スクジプスキーがシナリオと撮影をかね、夫人のエバ・スクジプスキーも助監督として活躍している。撮影助手はミロスラフ・バルトニック、ヴァーチラフ・ネドバール、音楽はチボール・アンドラショバ、ナレーション台本はカルフォンゾ・ベトニャーニ、エドヴァルド・ヴァレンタ、カロル・スクジプスキーがそれぞれ担当している。また、登山指導、監修にユリウス・アンドラーシ、イバン・カルフィ、アルノ・ブシュカーシュほかの専門家があたっている。プラティスラバ教育映画スタジオ製作。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督カロル・スクジプスキー
配給 東和
制作国 チェコスロバキア(1962)

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最終更新日:2022-07-26 11:03:57

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