P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-07-01
村上春樹の文学と映画の本を読んで居たら本篇や大人は判ってくれないの牛乳盗みのシーンにインスパイアされた一文が小説・海辺のカフカに在ることを知って興味津々
ぴあにすとをうて
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村上春樹の文学と映画の本を読んで居たら本篇や大人は判ってくれないの牛乳盗みのシーンにインスパイアされた一文が小説・海辺のカフカに在ることを知って興味津々
場末の酒場のピアノ弾き、シャルリを演じるシャルル・アズナヴールが絶妙だ。
絶望しながらも生きていく人生の味といったものが、映画を観終わった後、胸の奥にソッと残される、そんな感じの映画なのです。
随所にフランス映画的なエスプリが散りばめられていて、楽しませてくれます。
特に、シャルリの幼い弟を誘拐する、二人の悪漢の憎めない好人物ぶりが愉快です。
ラストの雪の中の一軒家をめぐる銃撃シーンは、殺し合いなのに、なぜか牧歌的でのんびりしたものがあります。
暴力は大嫌いだという、フランソワ・トリュフォー監督の面目躍如といったところで、犯罪映画の形を借りた”愛の映画”になっているのです。
二枚目でも、タフガイでもない主人公のシャルリが、この犯罪映画でもあり、恋愛映画でもある、この映画にピッタリで、特に彼のシャイな雰囲気の描写は、つっぱらない映画の楽しさを満喫させてくれます。
それは、いかにも”フランス的洒脱さ”と言ってもいいのですが、粋に昇華しないのは、そこに人生への”苦い絶望”が込められているからだと思うのです。
飯田橋日仏学院で英字幕で観たのが初回だった。撃たれたマリー・デボア嬢が雪原を垂直に落下して行くシーンが印象深く美しかった記憶が有る。男女の歌声が走行するドライブシーンに流れたりコミカルなタッチも交えたフレンチ・ノワールな作品
アルフレッド・ヒッチコック監督の<裏窓>や<ロープ>にはピアニストが出て来る。その音楽は、自殺しようとしているミス・ロンリーハートを思いとどませるし、人生を変える…。
本編では、シャルル・アズナブールがパセテックな曲を奏じるピアニストで登場。コミカルでいてサスペンスフルな愛の物語が繰り広げられる♪雪のシーンが美しい!