勝者と敗者 続・わが闘争 作品情報
しょうしゃとはいしゃぞくわがとうそう
--内容▽一九四五年五月、ナチス・ドイツの運命は終りを告げた。ヒトラーの第三帝国はもろくも崩れ去り、二千万ないし三千万の尊い人命がこの戦争で失われていった。人類の歴史が始まって以来、最大の流血であった。今や、この戦争の犯罪者たちはその責任をとらねばならない。総統アドルフ・ヒトラー、宣伝大臣ゲッベルス、親衛隊総司令官ヒムラーはいずれもみずからの運命を知って自殺していった。が、その他のナチス幹部、ゲーリンク、カイテル、ヨードル、リッベントロップたちは連合軍に捕えられ、ニュールンベルク裁判にかけられることになった。彼らに対する主要な起訴事実は、第一に侵略戦争、第二に戦争捕虜の虐待と殺害ならびに無差別破壊行為に関するもの、第三に一般市民の殺害、根絶、奴隷化、ならびに追放ないしは政治的、民族的な迫害に関するものであった。--一九三五年、ヒトラーは公然と再軍備を宣言し、ラインラント、オーストリア、チェコスロバキア、ポーランドへ侵入した。そしてここに第二次世界大戦の幕が切って落されたのである。戦は全ヨーロッパに波及し、ドイツ軍が占領した地域では、罪のない一般の市民が殺害されたり、拷問されたりした。彼らはただ種族的、宗教的な理由だけで国家的な大量虐殺をし続けた。特に、ユダヤ人、ポーランド人、ジプシーがその槍玉に上った。ブッヘンワルト収容所では、入墨をしている者のすべてが皮膚をはがされ保存された。ベンゼル収容所では、収容者は飢餓や疾病のため虫けらのように死んでいった。また、生き残った者は何度となく人肉を食った。アウシュヴィッツ収容所では、どうしたらわずかの労力と費用で大量の人間を殺せるかが絶えず研究され、総計三百、一日約一万人の尊い命がガス室の中で消えていった。--裁きは下された。被告たちの多くは絞首刑となり、彼らの犯罪は過去のものとなった。だが、我々は忘れ去っていいだろうか……。否、我々は今日の問題として再認識しなければならないのである。
「勝者と敗者 続・わが闘争」の解説
さきにわが国でも公開された記録映画「わが闘争」の続編。前作ではナチス・ドイツの歩みとその残酷な非人間性を明らかにしたが、今回はさらにニュールンベルク国際裁判でさばかれたナチ指導者たちの恐るべき罪業を追及している。しかもこの映画の六〇パーセント以上は、今までにまったく公開されなかったフィルムによるものであり、特にダハウ、ブッヘンワルト、ベルゼン、アウシュヴィッツなどの強制収容所における大量虐殺の記録など、眼をおおわしめる。製作は前回のトーレ・ショーベルイで、編集はショーベルイ、イングマール・エーベ、エリック・ホルムの三人。スクリプトはエリック・ホルム。
公開日・キャスト、その他基本情報
配給 | 東和 |
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制作国 | スウェーデン(1961) |
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