戦場(1961) 作品情報

せんじょう

第二次大戦下の一九四一年、ウクライナ地方には進撃を続けるドイツ軍とそれをくいとめようとするソ連軍との激しい戦いがうずまいていた。コルホーズに働いていたイワン(ニコライ・ヴィングラノフスキー〉も戦列に加わり、目ざましい活躍を見せる。つねに戦線にあっては先頭を切って進み、身をもってドイツ軍の進撃をくいとめようとする彼だった。彼が出征した村はドイツ軍に占領されたが、彼の恋人ウリヤーナ(スベトラナ・ジグン)は父親リャスヌイ(S・ルキャーノフ)が校長をつとめている小学校で教鞭をとり、愛国的な教育を続けている。視察にやってきたドイツ軍将校の怒りは、ついに父親リャスヌイを射殺してしまう。夏がすぎ冬となった。イワンの両親は破壊された家の片隅に抱き合っている。父親は息子の身を案じながら、息をひきとってしまう。その頃、冬の戦場ではイワンがグラズーノフ将軍(ボリス・アンドレエフ)の命令をうけて戦っていた。離ればなれになった親子のクリスマスは悲惨だった。炎の三年目はすぎた。ドイツ軍は焼けのこった建物に火を放ちながら敗走していった。追うソ連軍は一気に勝敗を決定的にすべく、ドニエプル渡河の大作戦を敢行した。もちろんイワンもその作戦に加わったが腕に重傷を負って後送された。一時は絶望視された彼だったが奇蹟的に回復、緑もえる故郷へ帰ることができた。戦いは終った。輝かしい勝利である。イワンとウリャーナは手をとり合って永遠の愛を誓った。だが、戦争がもたらした残酷な出来事はあとをたたない。ドイツ軍にもてあそばれた末、夫を失ったマリアもその一人である。しかし、今はすべての民衆とともに復興のために立ち上がる時なのだ……。ソヴィエトの国民は、やがてこの戦争による破壊をのりこえて、故国を再び建て直すにちがいない。

「戦場(1961)」の解説

ソ連の有名な監督「大地」の故アレクサンドル・ドブジェンコが、第二次大戦の経験をもとに書いたシナリオにもとずいて、その夫人ユーリア・ソーンツェワが監督し完成した七〇ミリ映画。撮影はフョードル・プロヴォロフとアレクセイ・テメリン。音楽はガブリエル・ポポフ。「オセロ」の監督セルゲイ・ボンダルチュクが解説者になっている。出演者はニコライ・ヴィングラノフスキーとスベトラナ・ジグンの二新人に「ベルリン陥落」のボリス・アンドレエフ、「人間の運命」のジナイーダ・キリエンコなど。キノパノラマ七〇ミリ。日本版はイーストマンカラー・七〇ミリテクニラマ。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督ユーリア・ソーンツェワ
出演ニコライ・ヴィングラノフスキー スベトラナ・ジグン ボリス・アンドレエフ ジナイーダ・キリエンコ S・ルキャーノフ W. Merkriev M. Maiorov
配給 日本ヘラルド映画
制作国 ソ連(1961)

ユーザーレビュー

レビューの投稿はまだありません。

「戦場(1961)」を見た感想など、レビュー投稿を受け付けております。あなたの映画レビューをお待ちしております。

最終更新日:2022-07-26 11:03:58

広告を非表示にするには