情事(1960) 感想・レビュー 2件

じょうじ

総合評価5点、「情事(1960)」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-07-23

※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]

なぜアンナが失踪したのか、彼女がいったいどうなったのか、さっぱりわからないまま、この物語は進行していく。

クラウディアとサンドロがいくら探し回っても、手掛かり一つつかめないのだ。
そんな状況の中で、惹かれ合っていく二人の愛は、ひどく不安定で心もとない。

第一、本当に彼らは愛し合っているのだろうか。
もしかしたら、アンナが突然いなくなったという奇怪な現実を前に、説明のつかない恐怖心、不安感にかられ、思いを同じくする者を本能的に求めただけかも知れない。

サンドロの浮気を知って絶望するクラウディアと、男泣きする彼、その肩をそっと抱く彼女で終わるラストは、何とも曖昧模糊としており、宙ぶらりんで放置されたような妙な気分になってくる。

この映画は"愛の不毛"というより、不毛な土地すら失われてしまったとも思える空漠感がやり切れなかった。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-11-11

このミケランジェロ・アントニオーニ監督の「情事」は、アントニオーニ監督の名を世界的に高めた傑作だ。

アンナと恋人のサンドロとの仲は、すでに冷めていた。
ある時、二人はアンナの親友クラウディアを誘って、ヨット旅行に出かける。

一行は、小さな無人島に上陸するが、そこでアンナが、忽然と姿を消す。

二人は島中をくまなく捜すが、アンナを発見することが出来ない。
不安の中で、残された二人は、互いに高ぶるものを感じるのだった。

アンナを捜すのを諦めて、ホテルに着いた二人は結ばれるが、それは愛なのだろうか?

現代人の"愛の不毛"をテーマに映画を撮り続ける、アントニオーニ監督の代表作だと思う。

最終更新日:2024-08-02 16:00:02

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