ハバナの男 作品情報

はばなのおとこ

ジェームズ(アレック・ギネス)は小心で実直な中年の英国人だ。ハバナで、英米合弁の真空掃除機会社の代理店を開いている。妻は一人娘ミリーが五つの時、家を出た。成長したミリーが、彼の生活のただ一つの慰めだ。--知人ホーソンが訪ねてきて、英国諜報機関への協力をすすめた。ちょうど、修道院の附属学校に通うミリーから馬とか社交クラブの入会をねだられていて、金がほしかった矢先だったから、報酬につられて、つい協力を約してしまった。ホーソンは、彼を五九二〇〇-六号とし暗号表の使い方を教えただけで去った。どうしていいかわからなかった。ロンドンから報告を迫られ、ただ一人の友人・独人の医者ハッセルバーカー(バール・アイブス)に相談した。この医者は試験管と酒と宝クジで日を過していた。妙案があった。手当り次第、廻りの人の名を書き人れ、「協力者名簿」をデッチあげたのだ。次の週には、現地政府筋のもたらした極秘情報として、彼の考えたキューバ国民党の革命計画をロンドンに送った。その次の週は真空掃除機の構造図を送った。“山間で秘密に建設中の軍事施設”のスケッチとしてである。本部がこの有能な同志へ、美しい秘書ビアトリス(モーリーン・オハラ)と無電士を送ったから、大変なことになるが、ビアトリスと恋し合うようになった。キューバ国家警察の署長セグラ(実は国民革命派の黒幕)が、ワーモルドの仕事をかぎつけた。もともとセグラはミリーに恋してい、彼女から毛嫌いされていた。ワーモルドは監視され、「協力者名簿」の人々が襲撃され始めた。ワーモルド派の電波をキャッチした「敵性スパイ網」のためだ。ハッセルバーカーまで家宅捜査を受け、挙句、何者かに殺された。ワーモルドはおののいた。セグラが二重スパイになれといってきた。拒絶すると、本国へ強制送還された。諜報部の首脳連は処分のための秘密会議を開いた。たった一人の“ハバナ駐在員”に英国諜報部が踊らされたのが公になったら--。謹慎中のワーモルドに「諜報網への貴重な協力」を嘉する感謝状と勲章がとどいた。ワーモルドに故郷での静かな生活が始まった。ミリーと新妻ビアトリスに囲まれて……。

「ハバナの男」の解説

グラハム・グリーンの同名探偵小説を、作者自身が脚本化し、「鍵」のキャロル・リードが製作・監督した。撮影は「白い砂」のオズワルド・モリス、音楽はハーマノス・デニス・キューバン・リズム・バンドの演奏。出演は「旅路」のアレック・ギネス、「長い灰色の線」のモーリーン・オハラのほか、バール・アイブス、アーニー・コバックスら。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督キャロル・リード
原作グラハム・グリーン
出演アレック・ギネス バール・アイヴス モーリーン・オハラ アーニー・コバックス ノエル・カワード ラルフ・リチャードソン ジョー・モロー
配給 松竹セレクト
制作国 イギリス(1960)

ユーザーレビュー

レビューの投稿はまだありません。

「ハバナの男」を見た感想など、レビュー投稿を受け付けております。あなたの映画レビューをお待ちしております。

最終更新日:2022-07-26 11:03:58

広告を非表示にするには