危険な階段 作品情報
きけんなかいだん
パリ郊外のうす汚い一角にガラス張りのモダンな大邸宅が建てられた。住みにきたアメリカ人ルーラン夫妻の生活ぶりは一風変っていた。真向いに住む貧乏画家の娘ルイーズ(ペレット・プラディエ)はそのガラスの家に好奇心を抱いて毎日勝手な空想をした。ルイーズは、とうとうルーラン家の女中に雇われることに成功した。邸のぜいたくな暮しはルイーズを有頂点にした。ジェス(ロベール・オッセン)もテルマ(ミシェル・モルガン)もルイーズが気に入ったようだった。この夫婦は実は大変不幸なのだ、ということにルイーズは間もなく気づいた。ジェスは妻を愛していたが、ウィスキーを痛飲しては苦しむテルマは夫を愛していなかった。夫妻は事故で子供を失い、その苦しみを忘れようとパリへきたのだ。ルイーズの心は、ジェスに対する愛でたちまち占められた。夫妻の結婚記念日の夜、ガラスの家は大騒ぎだった。パーティーの最中、車の中の人影を泥棒と間違えたルイーズはジェスに知らせた。人影は客の一人に抱かれたテルマだった。その後もテルマは酒にひたった。ある夜、別れ話から口論した後、ジェスはテルマを車に乗せて出かけた。深夜の外出に驚いたルイーズの両親が邸にやってきた。電話のベルが鳴り、ルーラン家の災難が知らされた。全速力で走る列車に車が衝突したのだった。現場から病院に運ばれる途中、興奮したテルマは同乗したルイーズにある告白をして息をひき取った。ジェスはルイーズに両親のもとに帰るようにすすめた。自分はアメリカへ帰るつもりだ。ジェスをひきとめるために、ルイーズは手段を選ばなかった。臨終のテルマから打ち明けられた話を、彼女はわざと歪曲してジェスに伝えた。ジェスの顔色は変った。ルイーズをつきとばすと車でとび出した。やって来た父親に、ルイーズは嘘をついたことを告白した。ジェスが帰ったら真実を語ろう。だが、そのとき電話のベルが鳴った。たぶん、ジェスが--。ルイーズには知ることが恐ろしかった。
「危険な階段」の解説
フレデリック・ダールの小説『悪いやつら』の映画化。暗黒映画を監督・主演してきたロベール・オッセンが、一転してこの種の心理ドラマを監督・主演したことは注目されよう。オッセンとダールが脚色した。撮影はジャック・ロバン、音楽はオッセンの父、アルベール・オッセン。出演はオッセンのほか、「非情」のミシェル・モルガン、新人ペレット・プラディエ、「太陽がいっぱい」のフランク・ラティモア、オリヴィエ・ユスノら。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:ロベール・オッセン
出演:ロベール・オッセン ペレット・プラディエ ミシェル・モルガン オリヴィエ・ユスノ ジャクリーヌ・モラーヌ フランク・ラティモア |
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配給 | NCC |
制作国 | フランス(1960) |
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