P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-01-26
ラストシーンで彼女は余りに辛い哀しいとぼやきながらも陽光眩しい一際,残酷な幸福シーンを見詰めてた
たいようがいっぱい
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ラストシーンで彼女は余りに辛い哀しいとぼやきながらも陽光眩しい一際,残酷な幸福シーンを見詰めてた
🛶洒落たタイトル・バック,アンリ・ドカエのカメラ・アングル,ニーノ・ロータの哀愁のある旋律☎️
そして吹き替え版ではアラン・ドロンの声は野沢那智と云うのがTV番組での定番だったが矢張り南の国の光が陰影深いラストシーンへと続くんだ
〈鬼火〉に続きモーリス・ロネの本篇を視聴…。吹き替えの金曜ロードショーのバージョンと云うレア版で
⚓️同アラン・ドロン主演の映画〈冒険者たち〉の海洋シーンを視てると陽射しの眩しさからニーノ・ロータの旋律が心地好い本篇が連想されて
パトリシア・ハイスミス原作の本編、アメリカでの公開タイトルは「パープル・ヌーン(紫色の午後)」だった…。「太陽がいっぱい」と言う題名とは対極の様な気がするが、お国柄で完全犯罪に対する本作の捉え方の違いが見て取れるんだ!原作は映画見たく南国調では無いからアメリカ版のタイトルのニュアンスに近いのかも知れないー。
スター・チャンネルのアルフレッド・ヒッチコック監督の方程式・完全犯罪特集で<ロープ><死刑台のエレベーター><現金に体を張れ>と併せて放映された。本編ニーノ・ロータの音楽の用い方は幸福の刹那が崩れるラストシーンでも甘美な音楽が流れると言う対置法♪黒澤明監督の音楽の使用法が、感情と画面のアンビバレントに有った様に…。それにしても、ポルトガル風なタイル、濃紺の日除け、海の美しさ等は主題の完全犯罪とはかけ離れた美しさだった!
若きアラン・ドロンが天使と悪魔を演じる…。鏡に見入って替え玉になりきる演技をするシーンはジャン・コクトーの映画オルフェ見たいだー。余りにも有名なニーノ・ロータの曲とアンリ・ドカエのカメラワーク!モノクローム撮影の名手がイタリアの地で作り上げた色彩の美。豊かな陽射しの多幸感の刹那の中で訪れる報いの海辺のラストシーンはこれもまた、伝説的で多くのオマージュドラマや模倣作品を生んだ…。新星マリー・ラフォレが綺麗。