P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-12-09
※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]
アンジェイ・ワイダ監督の代表作である「灰とダイヤモンド」は、ソ連軍によるポーランド解放に際して、レジスタンスの反主流派であった、自由主義派の失望と幻滅を背景に、テロ行為に走る青年を描いた作品だ。
ズビグニエフ・チブルスキーが演じたマチェックも、そうした若者のひとりで、ソ連からやって来る新政府要人の暗殺を計って、それを実行するが、やがて衛兵に発見されて、ゴミ捨て場で射殺されて死ぬ。
戦時中、必死になって抵抗運動に参加した若者が、なぜか戦後は時代の流れから外れ、ニヒルな脱力感を抱えて死んでいく姿が、観る者の胸を打つのだ。
主演のズビグニエフ・チブルスキーは、ポーランドのジェームズ・ディーンと言われて人気を博したが、ディーン同様に、その後、事故のため急死している。
彼は自らマチェックであったのかもしれない。