P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-05-12
生前に日の目を見ることなく、若くして不幸な死を遂げた、モディリアーニとその妻ジャンヌの静かに燃える愛を中心に、芸術の街モンパルナスで繰り広げられる、小さな人間模様を描いた、古き良きフランス映画の佳作「モンパルナスの灯」。
フランス映画界きっての美男としての栄誉を手にしながら、36歳の若さで急死する、儚い一生を送ったジェラール・フィリップの熱演が、奇しくも同じ年齢で世を去ったモディリアーニの一生に、そのまま重なるものがあって、いっそう悲哀感が漂ってくる。
そして、モディリアーニの創作のイメージを演じる、若き日のアヌーク・エーメが、あまりにもたおやかで、儚げな瞳をして、画面の向こう側から迫ってくるので、わけもなく、こちらの瞳も思わず濡れてしまいそうになる。
メランコリックな気持ちになって、ノスタルジーに浸りたい時に観たい映画ですね。