この目で見たソ連 作品情報
このめでみたそれん
モスクワ--ソ連の心臓で人口四四〇万の大都会。市の南西部に巨大な大学が畑を潰して建築中である。労働者の多くは女性である。レーニン丘に立つソ連最大の高層建築、ロモノソフ大学。学生の三分の二は女性である。モスクワ市内の道路は道巾が広く交通規則が厳重で事故は少い。クレムリン、その大部分は博物館となっている。クレムリンの反対側、“赤い広場”を距てて国営デパート“グム”がある。一応何でもあるが高級品は驚くほど高い。モスクワの一枚看板、地下鉄は早くて綺麗で外国人に威張れるものだ。クレムリンの傍にはレーニン・スターリン廟があり、見物客が長蛇の列を作っている。レーニングラード--ロシア革命発端の地としても、また風光明媚な点でも有名だ。ここに訪れる白夜の魅力……。スターリングラード--第二次大戦における激戦の廃墟も今は復旧し、トラクター生産工場、ソ連最大の発電所建設が目を奪う。トビリシ--スターリンの生れ故郷、グルジア共和国の首都だが、ここは南国の香りが高い土地。つづいてアルメニアの綿花の収穫、ウズベクの首都タシュケント、ウクライナの穀倉地帯と、その工業化への動き、モスクワの近くにあるロシア正教最大の教会ザコルスク僧院の盛儀、石油の国アゼルバイジャンの海底からの石油掘り。黒海の北岸ゾチにおける海水浴風景とサナトリウムの設備を紹介、カメラは東へと進む。ウラル山脈の東側シベリアでは極度に機械化された石炭の露天掘りが見られ、一方ではシベリア開発に送られてきた青年共産党員の姿が見られる。樺太の海豹島にまできたカメラは再びモスクワに戻り、ソ連の空軍パレード、スポーツの祭典、ボリショイ劇場の豪華なバレーを見せる。五月一日のメーデー、十一月七日の十月革命記念日は、昼は赤い広場で大パレード、夜は花火が上り平和と友好が叫ばれる。が、ソ連市民は、何を想っているのだろうか、と映画は結ぶ。
「この目で見たソ連」の解説
クラウス・ハルトを指揮者に「赤い風船」のエドモン・セシャン、「ローマの女」のアルド・スカヴァルダ、「命ある限り」のワルター・リムル、オーストリアのギュンター・グリムの四カメラマンが西独の国産車ベンツを駆って八万キロにわたりソ連国内を踏破、各地の模様を撮った長篇記録映画。構成には「動物たちは何処へ行く」のハインツ・クンツェ・ユーストが当り、編集の一人として「沈黙の世界」を手がけたジョルジュ・アレペが加わっている。音楽は現地音楽などを取入れてクラウス・オガーマンが編曲している。日本版解説は芥川比呂志。
公開日・キャスト、その他基本情報
配給 | NCC |
---|---|
制作国 | ドイツ(1957) |
ユーザーレビュー
レビューの投稿はまだありません。
「この目で見たソ連」を見た感想など、レビュー投稿を受け付けております。あなたの映画レビューをお待ちしております。