たそがれの女心 作品情報

たそがれのおんなごころ

過ぎし雅かな時代、パリに一人の貴婦人がいた。名はマダム・ド……(ダニエル・ダリュー)。彼女は内緒の借金に困って将軍である夫ムッシュウ・ド……(シャルル・ボワイエ)との結婚記念のダイヤの耳飾りをひそかに売り、夫にはオペラ見物の際落したといい立てた。新聞が「劇場で盗難」と書きたてたので、買い取った宝石商(ジャン・ドビュクール)はあわてて将軍に真相を告げた。将軍は耳飾りを買取り、折しも国外へ旅立つ情婦ローラに餞別として与えたが、耳飾りはコンスタンチノープルで賭博に負けた彼女の手を離れ、次にパリに赴任する大使ドナティ男爵(ヴィットリオ・デ・シーカ)が買取った。男爵はパリでマダム・ド……と恋に落ちその耳飾りを贈った。二人の仲を知った将軍は、耳飾りを外交官に返して事情を話し、宝石商に売らせ、改めて自分が買戻した。将軍は、これを男爵との恋に破れて半病人の様な生活を送っている夫人に与えたものの、すぐ貧しい姪エリザベスに贈るよう命じた。しかし夫人は、姪が耳飾りをすぐ売払ったことを聞くと財産のすべてを売払って買戻した。将軍は言葉の端にも男爵を思いつめている彼女の気持をどうすることもできなかった。クラブで将軍と男爵は軍隊と外交について激論し、将軍は遂に決闘を宣言した。将軍は名だたる射撃の名人であったが男爵の心は既に決っていた。決闘は挑戦者から射つしきたりであった。病をおして決闘場へかけつけるマダム・ド……の耳を、一発目の銃声がつんざいたが、二発目は聞えず、彼女は苦しそうに崩折れた。--教会の祭壇に読みとれる「寄進マダム・ド……」の文字、これが運命の耳飾りの行きついた所であった。

「たそがれの女心」の解説

「忘れじの面影」のマックス・オフュルスが一九五三年に監督したコステューム情緒ドラマで、「巴里の気まぐれ娘」のルイズ・ド・ヴィルモランの小説から「呪われた抱擁」のマルセル・アシャール、マックス・オフュルス、アネット・ワドマン(「レストラパアド街」)の三人が脚色した。台詞はアシャアル。「ボルジア家の毒薬」のクリスチャン・マトラが撮影を担当、音楽は「アンリエットの巴里祭」のジョルジュ・ヴァン・パリス。「凱旋門」のシャルル・ボワイエ、「愛すべき御婦人たち」のダニエル・ダリュー、「懐かしの日々」のヴィットリオ・デ・シーカ、ジャン・ドビュクールらが出演する。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督マックス・オフュルス
原作ルイズ・ド・ヴィルモラン
出演シャルル・ボワイエ ダニエル・ダリュー ヴィットリオ・デ・シーカ ジャン・ドビュクール リア・ディ・レオ
配給 東和=東映
制作国 フランス(1953)

ユーザーレビュー

レビューの投稿はまだありません。

「たそがれの女心」を見た感想など、レビュー投稿を受け付けております。あなたの映画レビューをお待ちしております。

最終更新日:2023-01-19 02:00:05

広告を非表示にするには