P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-08-28
ニトログリセリンを運ぶトラック走行が始まる迄の人間関係が恐怖の伏線に為っている点,monochromeな映像美学が恐らく監督フリードキンのリメイク版との違い哉
きょうふのほうしゅう
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ニトログリセリンを運ぶトラック走行が始まる迄の人間関係が恐怖の伏線に為っている点,monochromeな映像美学が恐らく監督フリードキンのリメイク版との違い哉
そして本篇のイヴ・モンタンがF1レーサー役で断然格好佳かったのがジョン・フランケンハイマー監督のdynamicな映画〈グラン・プリ〉だ
シャルル・ヴァネルとイブ・モンタンの相棒或いは親友振りはもう伝説的だが,何たって本篇の魅力は黒白映画の持つ詩情性とsimpleな光と影の対比に在るんだろう。S・M・エイゼンシュタイン監督のサイレントの名篇〈ストライキ〉もそうだったが
そして本篇,猛毒のさそりを踏み付ける冒頭から名高いラストシーン迄一瞬の隙も無く眼が離せない…。monochromeなフィルムの感触が佳いのはアンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督の〈情婦マノン〉同様に!
連続ドラマ〈genius Picasso〉をTV視聴していたら風貌が佳く似ていて、本アンリ=ジョルジュ-クルーゾー監督のドキュメンタリー映画「ミステリアス・ピカソ天才の秘密」を思い出した。ドラ・マール嬢との件にはバルザックの小説『知られざる傑作』に登場したアトリエも出て来た。其れにしても本編のラスト、イブ・モンタンの笑顔は最高だった!