ルシアンの青春 感想・レビュー 3件

るしあんのせいしゅん

総合評価5点、「ルシアンの青春」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-11-13

非常に苦い洞察のこもった、青春に関する人間映画の秀作だ。
16歳のフランスの田舎の青年ルシアン。

彼は第二次世界大戦の中、レジスタンスとなって山へこもることを夢見ながら、実は全く逆に、ゲシュタポの手先となって同胞へケチな権力を行使し続ける。

町にひそんだユダヤ人の美少女をモノにするも、そのヤリ口は野暮で尊大。
彼女の父や祖母に、大いにコワモテがられるが、それをいいことにつけあがるルシアンの青春。

そんなルシアンが、一転、本気で彼女をナチから守る気になり、朝靄の降り注ぐ中、彼女との牧神の午後のような幸福を味わったのも、実は束の間という、その終末を描くルイ・マル監督の視線には、まさに真実への抑制された涙があって、実にいいですね。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2022-09-11

恵比寿の日仏会館等で観た本篇,17才のルシアン青年が仕立て屋のユダヤ家族との交流で性に目覚めて行く顛末をルイ・マル監督の加害と被害の複眼の思考で冷徹に見詰めた作品

P.N.「グスタフ」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2018-06-11

ゲシュタポの手下になった少年の初めての恋の相手がユダヤ人。情感ある演出を排した冷静で客観的なマルの視点が、少年の虚しさ哀れさを静かに語る。記録映画手法が勝る地味な作品だが味わいは深い。ルイ・マル映画の一つの到達点。
ルシアンの青春に重なる主演青年の夭逝がもの悲しい。

最終更新日:2023-11-23 16:00:02

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