離愁(1973) 感想・レビュー 2件

りしゅう

総合評価5点、「離愁(1973)」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-06-10

※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]

"戦時下で宿命的な悲しい恋に落ちた、二人の男女を繊細なタッチで描いたフランス映画の佳作「離愁」"

この映画「離愁」は、「帰らざる夜明け」のピエール・グラニエ・ドフェール監督が、メグレ警視シリーズで有名なジョルジュ・シムノンが、1961年に発表した「列車」を映画化した作品で、主演は「Z」「暗殺の森」のジャン=ルイ・トランティニャンと「追想」「夕なぎ」のロミー・シュナイダー。

第二次世界大戦下、フランス北部の田舎の人々は、ドイツ軍の侵攻を恐れて、疎開列車で故郷を去らねばなりませんでした。
村人たちと共に列車に乗った、中年のラジオの修理工のジュリアンとその家族。

女や子供たちは客車へ、男たちは貨車へ。
列車の行く先々で避難民が乗り込み、ジュリアンの車輌に、アンナというドイツ生まれの謎のユダヤ人女性が乗って来ます。

身動き出来ない貨車の中で男と女は、道ならぬ恋と知りつつ愛情を深めていきます。
やがて、引き離される運命の時が来て--------。

このように、第二次世界大戦下、戦火を逃れるために乗り合わせた疎開列車の中で、明日の命もわからぬジュリアンとアンナが、刹那的な焦燥感にかられて、"生きずりの恋"に陥るという、戦時下の宿命的な悲しい恋を綴った痛ましいドラマを、ドフェール監督は、カメラのほとんどを列車内に置きながら、我々観る者を飽きさせる事なく、繊細なタッチで描写し、緊張感みなぎる映像で見せてくれます。 そして、この映画のラストで、最高潮に達するドフェールの見事な演出。 数年後、レジスタンスの一員として捕らえられたアンナと、秘密警察に呼び出されたジュリアンがまたしても、運命的な再会を果たします。 そこで、ジュリアンは、自己の保身のために、アンナを知らないと言い切るつもりが、全てを忘れて彼女を抱きしめてしまうのです。

ジャン=ルイ・トランティニャンとロミー・シュナイダーという、二人の名優の演技が、感動的とも言える鮮やかな幕切れとなって、我々の心の琴線を震わせるのです。 現在、観る機会が少なくなって来た、繊細で、しっとりとした情感溢れるタッチの、古き良きフランス映画を観る幸福感を味わえる佳作だと思います。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2022-12-25

スター・チャンネルのジャン・ルイ・トランテイニャン特集で視聴。小顔のロミー・シュナイダーの頬に手を充てるシーンが一際哀しくて…

最終更新日:2024-06-20 16:00:02

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