エロスの詩 作品情報
えろすのうた
強盗、婦女暴行、殺人なんでもござれの悪党ベルナルディーノ(N・ダボリ)とマンモーネ(F・チッティ)が町はずれの洞窟で久々に出会い、面白い出来事を語り合った。 第一話・美しい公爵夫人カテリーナとその夫の話。ドゥーカ公爵の妻カテリーナ(N・マキャヴェッリ)の美しさは、上は法王から下は町のならず者にいたるまで憧れの的だった。夫の公爵はさぞかし自慢の種と思いきや、彼女の浮気に日夜心の安まるときがなかった。彼は教会の聴聞僧に頼み込み、妻の懺悔を聞き、妻が十一人を相手にしたことを知り、卒倒してしまった。その夜、妻の浮気の現場にふみ込んだ公爵は男を殺し、自らのシンボルを切断した。 第二話・ジャコモ神父が生命びろいする話。この町に新しく着任したジャコモ神父は、ニコリーノの若く健康な女房ベルトリーナ(E・ダボリ)に眼をつけ、ニコリーノが朝早く牛追いに出かけると、神父は各家を大急ぎで廻り、ベルトリーナには特別の入念な祝福を与えた。この噂がやがてニコリーノの耳に入った。彼は妻に三日間の旅に出るとだまし、ベルトリーナと神父の密会中に現場へ踏み込んだ。彼は女房を刺し殺し、神父にはナイフを渡し自分の手でペニスを切り取らせた。 第三話・羊飼いと羊の話。放牧場で、若い羊飼いのキャボーネが年寄りの羊飼いカッキアーノに、羊と性交するのが最高だと語った。カッキアーノの若い女房に眼をつけたキャボーネは彼に羊をあてがい、自分は彼女を襲った。ある日、例によってキャボーネが女房を襲うと、それは女房の衣裳をつけたカッキアーノだった。 第四話・悪党アゴスチーノの話。レオポルド神父はアゴスチーノという男を下男として雇った。年頃の娘を持つ貧しい家では、神父の祝福を願った。神父は娘を賞味し、その母親はいくらかの施しを受けて帰る仕組みだ。ある日、アゴスチーノは、村はずれに新婚早々の美しい女がいるが銀二千枚を必要としている、と神父に告げた。神父は金を用意し、女を持った。やがて黒づくめの衣裳に身を包んだ女が現われ、寝室でベールを取ると、それはアゴスチーノだった。彼は神父を殺して金を奪って逃走、三日間大尽遊びをした末捕えられ、斬首されたが、死刑の前は恐怖のために金髪は白髪に変じていたという。 第五話・誰が天国へ行けるかの話。ペペ・ベローモという馬商人は美しい女房マルゲリータのために金を使い果たし、今は死ぬ他はないと考えた。マルゲリータは提案した。肉屋のパオレティ老は彼女に惚れ込んでいる。ペペが承認して彼女を共有できれば老人は生活費を出すだろう、と。契約は成立するが、案に相違して七十歳のパオレティはすこぶる元気だった。ある日、老人にあきたりなくなったマルゲリータが浮気していることを知った二人は、相手の若者ピウッチョと彼女の浮気の現場に踏み込み、若者だけを殺した。しかし、数日後、マルゲリータは発狂死し、ペペとパオレティは捕えられて死刑になった。この四人の処置について神々の査問会が開かれた。ペペ、パオレティ、マルゲリータの三人は神の質問に対して、天国に行きたいと答えたため地獄へ落とされ、ピウッチョは、正直に地上でもっと楽しみたいと答え、天国へ行けることになった。 悪事を働いて捕えられたマンモーネとベルナルディーノは、この話の結末に大笑いし、絞首台に上がった。ふみ板が落とされても、笑声が人々の耳に残った。
「エロスの詩」の解説
兇悪強盗犯二人が語る面白いSEX話の数々を描く。製作アルベルト・グリマルディ、監督はこれが監督デビュー第一作のセルジオ・チッティ、脚本は「アラビアンナイト」のピエル・パオロ・パゾリーニ、撮影はトニーノ・デリ・コリ、音楽はフランチェスコ・デ・マージ、美術はダンテ・フェレッティが各々担当。出演はニネット・ダボリ、フランコ・チッティ、ニコレッタ・マキャヴェッリ、ジャンニ・リッツォ、エリザベッタ・ダボリなど。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1974年12月21日 |
---|---|
キャスト |
監督:セルジオ・チッティ
出演:ニネット・ダボリ フランコ・チッティ ニコレッタ・マキャヴェッリ ジャンニ・リッツォ エリザベッタ・ダボリ |
配給 | ユナイト |
制作国 | イタリア(1972) |
ユーザーレビュー
レビューの投稿はまだありません。
「エロスの詩」を見た感想など、レビュー投稿を受け付けております。あなたの映画レビューをお待ちしております。