獣欲魔地獄責め 作品情報
じゅうよくまじごくぜめ
バルバラ(I・サルリ)は、夫のラウル(A・ボー)がマネジャーを兼ねる貧しいストリッパーだったが、やがては大都会で成功する夢を温めていた。その二人の人生を狂わせたのは、田舎から出てきた牧場主のマルチン(J・J・ミゲツ)だった。彼はバルバラに一目惚れし、ベルトとファン(V・ボー)に彼女を誘拐するよう命じ、自家用機で帰っていった。ベルトはラウルを殺し、ファンと共にバルバラを車に押し込んで町を出た。牧場までの長い道中、欲望をこらえきれなくなったベルトは、途中の草原でバルバラに暴行する。気の弱いファンは何もできなかった。何も知らずに出迎えたマルチンは、早速、彼女を広大な邸に案内した。バルバラに惚れ込んでいた彼は、正妻にするというが、夫を殺されたバルバラの心を動かせる筈がなかった。怒ったマルチンに力づくで征服されたバルバラは涙ながらに夫の復讐を誓うのだった。彼女はマルチンと息子たちを反目させるつもりで結婚に同意した。狂喜したマルチンは五万ヘクタールの牧場と財産全部を彼女に譲るよう手続きしたが、案の定、息子たちは反撥した。次に彼女はその息子たちを誘惑し始めた。以前、バルバラを抱いたベルトは、彼女の肉体が忘れられずに日夜悶々としていたため、すぐに乗ってきた。さらに、女気のない牧童たちもそそのかし、マルチンに反抗させようとした。ある日、バルバラが長男のベルトを誘って小屋に入った所をマルチンに見つかり、ベルトは鞭で打たれた。そして、彼を助けようとしたファンは裸にされ、雪の山に追われた。バルバラは納屋に監禁されているベルトのもとに忍び込んだ。彼女の愛をえたと思っているベルトは、ますます父への憎悪を燃やし、二人で戦うことを誓う。しかし、翌朝、反乱を起こして何なく捕えられた三人の牧童と共に、ベルトは見せしめのためにバルバラの前で射殺されてしまう。バルバラの味方はなくなった。だが彼女は望みを捨てない。人のよさそうな牧童のメンチョ(M・カサド)に眼をつけたのだ。彼はインディオで、牧童仲間でも人間扱いされていなかった。だから彼は、女主人の好意と信頼に感激した。ある日、マルチンの留守に誘惑されたメンチョは、ためらいながらも初めての女の肌に溺れてしまった。そして彼女のいいなりになることを誓った。バルバラの待っていた復讐のチャンスがとうとう訪れた。マルチンは一人の部下を連れて、野牛を追っていった。そこへメンチョを従えたバルバラが来て、マルチンにピストルを向けた。彼女は一発ずつ憎しみをこめてマルチンの頭へ射ち込んだ。部下が銃を構えたところをメンチョが撃ち倒した。これで二人の天下だねと笑ったメンチョの顔から、次の瞬間血の気が引いた。バルバラにとって、彼はもう用済みだったのである。
「獣欲魔地獄責め」の解説
雪におおわれたアルゼンチンの山岳地帯を舞台に、ストリッパーと牧場主の愛欲世界を描く。製作・監督・脚本は「獣欲魔」のアルマンド・ボー、撮影はアメリシオ・ホス、音楽はアレイン・ブベレー、編集はロザリノ・クテルベッチが各々担当。出演は「獣欲魔」のイザベル・サルリ、ファン・J・ミゲツ、ヴィクター・ボー、マリオ・カサドなど。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1974年2月9日 |
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キャスト |
監督:アルマンド・ボー
出演:イザベル・サルリ ファン・J・ミゲツ ヴィクター・ボー マリオ・カサド |
配給 | コロムビア |
制作国 | アルゼンチン(1973) |
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