黒い警察 感想・レビュー 2件
くろいけいさつ
総合評価5点、「黒い警察」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- なし
- 投稿日
- 2024-07-22
あのサンフランシスコを舞台にした「ダーティハリー2」もそうでした。
法律では裁けない凶悪犯たちを、現職の白バイ警官たちが、次々に処刑していく話でした。
「ダーティハリー4」では、ハリー自身が悪を処刑します。
それから、チャールズ・ブロンソン主演の「狼よさらば」。
あの映画は、ニューヨークが背景だったが、警察が捕まえても、すぐ釈放されてしまう街のチンピラたちを、一人のインテリが、自分で次々と処刑するというストーリーだった。
現行法の中でしか行動できない警察に対する、じれったさを感じて、犯罪を憎み、憤る庶民の気持ちは、よくわかります。
こうした映画がヒットするという事も、実は庶民一人一人の心の中に、そうした怒りがあるからなのだと思う。
しかし、こうした思想が、誤った形でエスカレートした時、それがファシズムを生む源になる事も、我々は同時に考えなければならないと思う。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-07-22
このイタリア映画「黒い警察」は、現代の恐怖を鮮烈に描いた問題作だ。
国際都市ローマでは、凶悪犯罪が益々エスカレートし、警察は必死になって捜査網を広げていくのだが、捕まえた犯人たちは、罰せられる前に、次々と釈放されるのだった。
法の網の目をかいくぐって、犯罪はより強烈に、凶悪化していくのだった。
そんな中で、法を逃れた犯罪者たちを、次々と死刑にしていく、残酷な黒い集団が現われる。
本物の警察では、法律が邪魔して処罰できない犯罪者たちを、この集団は叩き殺し、縛り上げ、銃弾をぶち込んで、私刑の血祭にしていくのだった。
この黒い警察の正体は、いったい何なのか?
イタリア映画伝統のリアリズムと、残酷な手法が重なりあって、凄い迫力を盛り上げていく。
イタリアでは、上映禁止にまでなった問題作で、全篇に流れる哀調のテーマ曲が、たまらなく胸を打ちます。
とにかく、恐ろしい話です。混乱の時代だからこそ生まれた映画だと思う。
しかし、それにしても、こういう映画は、1970年代の初め頃は、世界各国で製作されていたんですね。