P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-05-14
1920年代の末期のスペイン。16歳の孤児トリスターナは、没落貴族のドン・ロペに引き取られる。
ロペに弄ばれ、若い画家に恋し、やがてロペを死に追いやるトリスターナ。
女の哀しみが、憎悪、復讐へと変わってゆくさまは、冷ややかなトーンで描かれていく。
ロペには、無表情で接するトリスターナ。
カトリーヌ・ドヌーブの冷たいまでの美貌が、いっそう冴え、恐怖をあおる。
彼女が見る教会の鐘にぶら下がったロペの生首の夢が、悲しい宿命に憑かれたことを暗示する描写も強烈だ。