別れのスキャット 作品情報
わかれのすきゃっと
ミラノ郊外の豪壮な邸宅を、どこか翳りをおびた中年男ルカ(B・クレメール)が訪ねて来た。彼は、一年以上も他人と口をきこうとしないこの家の息子ダビッド(R・ベルレー)の、心の病を治療するために呼ばれたのだった。ルカはダビッドに、自分の過去の傷を語ったりして、次第に心をうち解けさす方向にもっていった。ようやくダビッドが口を開いた。もう一年ぐらい前のこと、昼下りのミラノの街で会った、褐色の髪のオレンジ色のミニ・ドレスの娘(R・カッラ)をダビッドは車から誘った。やがて二人は、昔からの恋人のように打ちとけあい、草原で名も知らぬまま、愛を確かめあった。しかし、その帰路、二人の跡を一台の車がつけて来た。ハンドルをにぎる長い金髪の男(M・アドルフ)を見て、娘は顔色を変え、ダビッドの車から飛び出し、姿をくらましてしまった。数日後、彼はあの時の娘が自殺し、そしてアルベルタという名であったことを知った。ダビッドの心の苦しみを理解したルカは、アルベルタの残していった、彼女の屈辱にみちた全裸写真を手がかりに、彼女の死の謎の中に入っていった。ルカはダビッドをつれ、まずアルベルタの住んでいた、貧しげなアパートを訪ね、彼女が金に困ってヌード・モデルになったことを知った。次に二人は彼女の親友のリビア(M・コムテル)に会い、金髪を長く伸ばした男が、アルベルタを強引にモデルに誘っていた、という話を聞いた。ルカはオトリを使うことを思いたった。この危険な役をひきうけてくれたのは、リビアだった。男を捜すことに疲れたダビッドは、一夜リビアと共に、深酒に酔いしれ、ルカを怒らせたが、その夜、長い金髪の男が罠にかかった。リビアを先にその男の家に行かせ、彼女がアルベルタと同じ屈辱を受け、悲鳴をあげた時、ルカとダビットが扉を破り、部屋に突入した。男は車で逃げ、ダビッドはその後を追った。ハイウェイを、凄絶なスピードで走りぬける二台の車。やがて男の車が、ガードレールに激突、崖下に転落して行った。心配してかけつけて来たルカとリビアの前で、ダビッドのさわやかな笑顔がよみがえった。
「別れのスキャット」の解説
輝く太陽の下でめぐり逢い、やがて過ぎ去っていった恋に傷ついた青年の姿。製作は「さらば夏の日」のフランシス・コーヌ、監督は新人イヴ・ボワッセ。ジョルジョ・シェルバネンコの原作をアントワーヌ・ブロンダン、イヴ・ボワッセ、フランシス・コーヌが共同脚色。撮影は「さらば夏の日」のジャン・マルク・リペール、音楽は「バーバレラ」のミシェル・マーニュがそれぞれ担当。出演は「さらば夏の日」のルノー・ベルレー、「脱走特急」のラファエラ・カッラ、「ポーラの涙」のブリュノ・クレメール、ほかにマリオ・アドルフ、イタリアの新星マリアンヌ・コムテルなど。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1970年8月25日 |
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キャスト |
監督:イヴ・ボワッセ
原作:ジョルジョ・シェルバネンコ 出演:ルノー・ベルレー ラファエラ・カッラ ブリュノ・クレメール マリアンヌ・コムテル マリオ・アドルフ |
配給 | 東和 |
制作国 | フランス(1969) |
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