荒野の大活劇 作品情報
こうやのだいかつげき
二〇年間別々にくらしていて、性格もまったく違う兄弟、モンティ(G・ジェンマ)とテッド(N・ベンベヌチ)に祖父の遺産三〇万ドルが入ってくることになった。しかし、その為には六ヵ月間二人で一緒に暮さなくてはならなかった。さっそくテッドに会うため、西部に車で旅立ったモンティは、途中でバーンズという男(A・カサス)と知りあった。そして、ポーカーに負けたモンティは、彼に自動車を取られてしまった。そして、ようやく会ったテッドも、遺産はいらない、と言う始末だった。モンティは懸命にテッドを説得。その時、ならず者のジム(C・ヒュエルタ)の一味がやって来て、大勢の手下とともに、テッドの家を焼き払ってしまった。無一文になったモンティとテッドは、あてもなく歩き続ける途中、バーンズに会い、三人で銀行強盗を計画。やっと盗んだ金額が三〇ドル。ところが、この情報を聞いたジム一味が、再び襲って来たところを、バーンズの大活躍で逮捕、賞金二千ドルをせしめたが、またそれを、脱獄したジム一味に奪われてしまった。次に三人は駅馬車強盗を実行、銀行家スコット(G・リガウド)の一人娘ロッセラ(S・ローム)を誘拐、身代金を要求したが、軽く一蹴されてしまった。それもそのはず、彼女は大変なジャジャ馬娘だった。そんなロッセラとテッドの間に恋が芽ばえたが、モンテイはあわてて引き離し、あと二ヵ月しんぼうしろ、と言いふくめるのだった。そんなある日、スコットの銀行が金塊を運ぶというニュースがバーンズから入り、三人は襲撃を計画したが、その時、ジム一味が金塊を襲って来たため思いがけず、三人は金塊を守るハメになってしまった。凄しい銃撃戦の末、一味は全滅させたが、テッドはジムと列車もろとも谷底へ消えてしまった。モンティは悲しむ間もなく、英雄として人々から迎えられ、ロッセラの結婚相手にさせられた。その結婚式当日、死んだはずのテッドが現われ、恋人をとったモンティに決闘をいどんだ。二人は拳銃を持って対峙した。と思う間もなく、兄弟はロッセラをのこし、自動車で逃げ出して行ってしまった。
「荒野の大活劇」の解説
気性のまったく違う兄弟が活躍する、西部劇アクション。製作はミケーレ・マルサラとジェスス・ガルチア・ガルゴレス、監督は「バスタード」のドゥッチョ・テッサリ。「ボッカチオ'70」のエンニオ・フライアーノの原案を「華麗なる殺人」のジョルジョ・サルヴィオーニとドゥッチョ・テッサリが共同脚色。撮影はチェザーレ・アリオーネ、音楽は「荒野の1ドル銀貨」のジャンニ・フェリオがそれぞれ担当。出演は「バスタード」のジュリアーノ・ジェンマ、現世界ミドル級チャンピオンのボクサー、ニーノ・ベンベヌチ、「続荒野の1ドル銀貨」のアントニオ・カサス、新人シドニー・ローム、ほかにクリス・ヒュエルタ、ジョルジュ・リゴーなど。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1970年8月8日 |
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キャスト |
監督:ドゥッチョ・テッサリ
出演:ジュリアーノ・ジェンマ ニーノ・ベンベヌチ シドニー・ローム アントニオ・カサス クリス・ヒュエルタ ジョルジュ・リゴー |
配給 | 日本ヘラルド映画 |
制作国 | イタリア(1969) |
ユーザーレビュー
総合評価:4点★★★★☆、1件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-11-26
この映画「荒野の大活劇」は、父親が残した遺産をめぐって、二人の兄弟が巻き起こすスピード感あふれるアクション・マカロニ・ウエスタン。
弟と6カ月間、仲良く暮らせば父親の遺産が貰えることになって、ボストン男の主人公が、西部の町へやって来る。
途中、いかさま師に1900年型の自動車を巻き上げられたり、兄弟で駅馬車強盗をやれば、金のかわりにとんだジャジャ馬娘をつかまされたり、大列車強盗に及べば-----と全くツイてない二人。
この映画は、全編、マカロニ・ウエスタンのパロディという作品で、数々のギャグの連発の中で、主演のマカロニ・ウエスタンの貴公子・ジュリアーノ・ジェンマが見せるスタント・アクションが光っている。
このボストン男がジュリアーノ・ジェンマ。
ポンチョを着たヒゲ面男が"さすらいの口笛"を吹いたり、といった具合に、なぜだか元ネタの西部劇より面白かったりするから不思議だ。
ジェンマのおとぼけ演技というのも、意外と様になっており、ドゥッチオ・テッサリ監督との息もピッタリで、「荒野の用心棒」のパロディー版として大いに笑える。