テオレマ 感想・レビュー 2件
ておれま
総合評価4点、「テオレマ」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-11-09
ミラノの大企業家パオロの家に、謎の青年がやって来る。
青年は、パオロやその家族と性的な接触を持ち、彼らの欲望を解放して、やがて立ち去る。
残された人々は、彼ら自身の真実に向き合うのだった。
彼に感化されたメイドは、屋敷を出て、聖女になり、パオロは、自分の工場を労働者に渡して、荒野をさまようのだった-------。
ピエル・パオロ・パゾリーニ監督は、最初このテーマを、詩による舞台劇として考えていたそうだ。
そのため、この映画は知的な構成が明らかすぎるほど明らかだ。
すみずみまで、よく計算されており、登場人物の役割も、わかりやすい。
だが、主人公が、神か悪魔かといった謎が、不条理演劇のように、簡単には割り切れないのだ。
それは、主人公のテレンス・スタンプの顔のクローズ・アップが、極めて映画的な効果をもたらしているからだ。
この映画は、映画史に残る、ピエル・パオロ・パゾリーニ監督の傑作のひとつだと思う。
P.N.「悔い改めよ、光を照らせ!!」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2022-04-01
悔い改めよ、光を照らせ!!
自覚さえすれば、自ずと言動は改善される。自ら目覚めるのだから。
何十年も同じ過ち、場所をクルクル回っている人間も多い。
作品は、イタリアらしく、ダンテ『神曲』のように、貴族と農業従事者の中間に産業革命児、ブルジョアジーが誕生した時代の物語。
同じくダンテの『神曲』をダイレクトに組み込んだ映画『モーリス』も影響を受けたのかも知れない?
天国と地獄、貴族と奴隷的、農業従事者。産業革命のもたらした光と闇を照らす作品。
悔い改め、生まれ変われた、お手伝いの女性のように、人は、自覚することが難しい、悔い改めると言う表現は難しく聞こえる。
作品も、時代背景を知らないと意味不明。
普遍的な愛、ダンテ『神曲』も愛の伴わない行為を戒める。
行為そのものが悪いのではなく、愛の伴わない行為が歪みを生み出し闇を作り出す。
自覚しない行為が多い人間は、人の話しを聞かないし、同じ場所をクルクル回っていても、疑問もないらしい?
過激的思想が元で、亡くなられた監督も、今は、愛の行為に立ち返っていることでしょう?