子供たちの王様 作品情報
こどもたちのおうさま
7年間を生産隊で過ごした“ヤセッポチ”という仇名の青年(謝園)が、都会から遠く離れた山間部の農村の粗末な学校へ教師として赴任した。学校の設備はひどく、紙不足から生徒は教科書すら持っていなかった。しかしその片隅には使用してはいけない学習教材がうず高く積まれ、埃をかぶっている。不安にかられ中学三年の教壇に立つ彼は級長の女の子から、先生が黒板に教科書を書き写し、それを生徒達がノートに写す、と教えられ憤慨する。が彼にはなすすべもなく、毎日が黒板を刻むチョークの音とともに悄然と過ぎ去ってゆくのだった。重苦しい喪失感を味わう彼は、ついに教科書を捨てる決心をする。生徒たちが自分で字を使って手紙を書くために、そして写すのではなく、自分の力で文章が書けるように、彼は生徒たちに改めて字を覚えさせることから始める。生徒たちの表現力は徐々に進歩し、先生との間にも信頼関係が生まれてきた。そんな竹切りにいくことになった前日のある日、彼は勉強熱心な生徒王福(楊学文)と、明日の出来事を今日中に作文に出来るかどうかの賭けをする。つぎの日、父親と昨日の夕方から竹切りに行き、夜中前に作文を書き終えた王福が、先生に自分の勝利を宣言する。そんな王福に彼は、ある事を記録するのは常に事後のことで、この道理は不変である。と話す。自分の負けを知った王福は賭けの対象となった先生の辞書を受け取ろうとしなかった。それ以後、王福は辞書を書き写すことに熱中し、今にもっと大きな辞書も書き写すのだ、と言い張る。そんな折り、党の上層部に先生が教科書通り教えていないことが伝わり、彼は再び生産隊に送り返されることになった。学校を去る時彼は王福に辞書を残し、これからは何も写すな、辞書も写すな、と書き記すのだった。ひっそりと静まりかえった濃いもやの中を小さな荷物を背負い、彼は山を下りて学校を去ってゆく……。
「子供たちの王様」の解説
中国の文革時代を背景に、都会から遠く離れた農村に、教師として「下放」された若者の姿を描く。阿城の原作を基に、監督・脚本は「黄色い大地(1984)」の陳凱歌、協同脚本は万之、撮影は顧長衛が担当。出演は謝園ほか。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1989年4月29日 |
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キャスト |
監督:チェン・カイコー
原作:アー・チョン 出演:シェ・ユアン ヤン・シュエウエン チェン・シャオホア チャン・ツァイメイ シュー・クオチン ラー・カン クー・チャンウェイ ウー・シア リウ・ハイチェン |
配給 | ヘラルド・エース=日本ヘラルド映画 |
制作国 | 中国(1987) |
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