P.N.「儚き夢、人はまた色眼鏡のコオロギ」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-05-25
かなりの手間暇をかけた作品。
歴史的事実をかなり西洋風に脚色し、西洋好みの、回顧録に仕上げている。
演出も、西洋好み風になっている。
紫禁城は、観客のいない、劇場と、台詞にあるように、映画の紫禁城での展開は、正に、城壁の中で繰り広げられる京劇。
皆、上部だけだと嘆く、最後の皇帝。
それは、又、ころころ代わる人間の人民の姿でもある。
裁いていた人間が、いつしか、裁かれる立場になる。
人間とは、色眼鏡をかけたコオロギだ。どう転ぶかわからない儚き存在。
激動の中、生き抜いた、ラスト・エンペラー。
その強運、多くの支援を受けた人柄、その点を深く、掘り下げた作品になれば、もっと、良かったと思う。
イタリア・中国とあるので、かなり、中国に配慮した西洋趣味な内容。
着物姿が、残念な点を観れば、考察が、かなり、偏ったモノとわかる。
紫禁城も、借り物的であるし、最後の演出も、個人的趣味に終わった感はある。
紫禁城の主は、創造主なので、エンペラーは、紫色は召されない、儚き夢。