P.N.「グスタフ」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2019-09-09
ネオレアリズモの伝統を受け継いだオルミ監督が、商業主義から遠く離れて、19世紀末ベルガモの農民の清貧生活を淡々と描く。社会主義の政治的変動とは無縁で資本主義の恩恵もない、地主の支配下で貧しいながらも大地と共に生きる人間の厳しさと美しさを根源的な社会批評とした非ドラマ性。四季の変化や紡績工場・畜舎を映すカメラワークは、オールロケの自然光とロウソクの炎のみの美しさで再現されている。ここまでバッハの音楽が溶け込む映像表現を他に知らない。