P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2020-03-13
本ラウラ・アントネッリとマルチェロ・マストロヤンニが共演したイタリア映画が〈悦楽の貴婦人〉。ラウラの魅力は一寸,本篇に通じるかも
いのせんと
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本ラウラ・アントネッリとマルチェロ・マストロヤンニが共演したイタリア映画が〈悦楽の貴婦人〉。ラウラの魅力は一寸,本篇に通じるかも
TV放映で改めて本編を観るとW不倫の様な愛と嫉妬の男女の愛憎劇何だと思う。肉体的な愛と観念的な其れの対立や堕胎や嬰児殺しを巡るドフトエフスキー的な状況もあった。当初,主役にアラン・ドロンを想定していたと言うからそんな眼で本編を観るとジャンカルロ・ジャンニーニがドロンに見えて来たー。
無垢な嬰児を真冬の夜風に当て熱を出させて殺し、自害を遂げる主人公の顛末はインモラルでアンチ-クライスト!ルキノ・ヴィスコンテイ監督のデカダンスな美学。黒の衣裳等、画面の基調色はブラック、暖炉のファイアー-レッド、そして激しく降り続けるスノー-ホワイト,大理石のエンタシスの石柱のマーブル-カラー、其の総てが本物の映画美術。泥仕合の男と女の性はジャンカルロ・ジャンニーニ主演の<流されて>に引き継がれて往く事だろう♪官能的で大胆なラウラ・アントネッリが、出産後に見せる変容の、愛の一大芝居も見もの!
ガブリエレ・ダヌンツイオ原作の小説の美学、ダンデイズム、デカダンス、官能のエロスとタナトス、愛憎、嫉妬、罪悪…の世界。
ルキノ・ヴィスコンテイ監督を捉えて離さなかった貴族の血筋、家族の肖像…。その斬新な若々しい映像美と懺悔或いは性の苦悩が見事な遺作となった!