ナバロンの嵐 作品情報

なばろんのあらし

第二次大戦中のユーゴスラビアでは、強大なドイツ軍がパルチザン将兵七千を、ネレトバ峡谷に追いつめていた。彼らを救うにはネレトバ橋の爆破しかない。その命令がアメリカ軍特殊部隊〈フォース10〉に下った。バーンズビー中佐(ハリソン・フォード)を隊長とする〈フォース10〉に、ナバロン要塞を爆破したマロリー(ロバート・ショウ)とミラー(エドワード・フォックス)が加えられた。二人にはパルチザンに潜入しているドイツのスパイ、レスコバー大尉(フランコ・ネロ)抹殺の任務もあった。ユーゴに降下した彼らは、ドラザック大尉(リチャード・キール)ひきいる王党派につかまり、ドイツ軍に引き渡される。王党派はドイツ軍に協力するゲリラ組織で、パルチザンと敵対していたのだ。だが王党派にいた娘マリッツァ(バーバラ・バック)のおかげで、マロリーとバーンズビーは脱出に成功。パルチザンと遭遇し、隊長のペトロビッチ少佐(アラン・バデル)に会う。マリッツァは彼の実の娘だったのだ。彼はネレトバ橋の爆破は絶対に無理だという。二人はともかくレスコバーと一緒に王党派の集落に侵入して、ミラーやマリッツァらを救出してくる。爆破のエキスパートであるミラーは、橋はとうてい無理だが上流のダムを爆破して洪水をおこせばよいと発言する。レスコバーがドイツ軍と連絡をとっているのを見たマリッツァは、レスコバーに射殺された。ドイツ軍の武器弾薬庫から爆薬を盗み出したマロリーらは、ダムに向かう。この時、ついにレスコバーの正体はばれて殺される。彼らを追ってきたドラザックは、ウィーバー軍曹(カール・ウィザーズ)に倒された。ダムにしのびこんだマロリーとバーンズビーの仕掛けた爆弾が時間通りに爆発。ダムは徐々にき裂がはいり、やがて壁面をつき破って水がほとばしり出る。水は奔流となって川を下り、折しもドイツ軍が渡り始めていたネレトバ橋を押し流してしまった。

「ナバロンの嵐」の解説

ユーゴの最重要戦略拠点であるネレトバ橋をめぐって死闘をくりひろげるパルチザンとドイツ軍を描く戦争アクション映画。「ナバロンの要塞」(66)の続編にあたり、68年にアリステア・マクリーンが書いた『ナヴァロンの嵐』(ハヤカワ文庫)の映画化。製作はオリヴァー・A・アンガー、監督は「007/黄金銃を持つ男」のガイ・ハミルトン。「ナバロンの要塞」を製作・脚色したカール・フォアマンのスクリーン・ストーリーに基づいてロビン・チャップマンが脚色。撮影はクリス・チャリス、音楽はロン・グッドウィン、製作デザインはジェフリー・ドレイク、衣裳はエマ・ポールテス、編集はレイモンド・ポールトン、特殊効果はルネ・アルブース、アクション監修はエディ・スティシィが各々担当。出演はロバート・ショウ、ハリソン・フォード、エドワード・フォックス、バーバラ・バック、フランコ・ネロ、カール・ウィザーズ、リチャード・キール、アラン・バデル、クリストファー・マルコム、ニック・エルスワース、ジョナサン・ブレイク、マイケル・シアードなど。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1979年2月10日
キャスト 監督ガイ・ハミルトン
原作アリステア・マクリーン
出演ロバート・ショウ エドワード・フォックス バーバラ・バック フランコ・ネロ カール・ウィザース リチャード・キール アラン・バデル クリストファー・マルコム ニック・エルスワース ジョナサン・ブレイク マイケル・シアード
配給 コロムビア
制作国 イギリス(1978)
上映時間 118分

ユーザーレビュー

総合評価:4点★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2024-05-14

ナバロンの要塞を撃滅してから2年後、マロリー(ロバート・ショウ)とミラー(エドワード・フォックス)の次なる任務は、ドイツ軍に包囲されたユーゴスラヴィアのパルチザンの救出。
この作戦遂行の中で、特にマロリーは、二重スパイだと思われるレスコヴァー(フランコ・ネロ)を抹殺することであり、ミラーはドイツ軍の重要な進撃路であるネレトバ橋を爆破するのが使命だ。
映画は、先ず空輸される途中で敵機に襲われ,パラシュートで脱出するという見せ場があり、大男のドラザック(リチャード・キール)を首領とするドイツ協力派チェトニクスのゲリラ隊に捕まり、殺されかけたところを、一味を装っていたパルチザンの娘マリッツァ(バーバラ・バック)に救われるというサスペンスが展開していく。
ミラーが破壊しようとするネレトバ橋は、堅牢に出来ており、完全に破壊するのは容易な事ではなかった。
そこで、上流にあるダムを決壊させ、水の勢いで破壊する計画をたて、そのための爆薬を奪うために、ドイツ軍の弾薬集積所に潜入するが、発見されかけ、危機を招くというスリリングな見せ場になる。

このシークエンスが、映画としてのサスペンスの見せ場になっており、貨車で逃げる途中、マロリーは裏切り者の正体を表わしたレスコヴァーを倒し、ミラーたちが照明弾などで敵を牽制している隙に、この作戦の特命隊長バーンズビー中佐(ハリソン・フォード)と二人で、ダムの基底部に潜入し爆薬を仕掛けるという、最大の見せ場へとなっていく。 前作のグレゴリー・ペック、アンソニー・クイン、デーヴィッド・ニーヴンといった重量級の豪華なメンバーに対して、この作品では、ロバート・ショウ、ハリソン・フォード、エドワード・フォックスと中量級となった感は否めず、また舞台はナバロンとは関係がなく、物語自体も難攻不落の要塞にある巨大な大砲を破壊するという、前作の大迫力の痛快さに比べて、平凡でそれまでに数多くあった戦争冒険活劇の域を出ていない感じもします。 だが、それらを差し引いても、ガイ・ハミルトン監督は、それなりに見せ場も数多く用意し、戦争アクション映画のツボをよく押さえ、楽しめる作品にしていたと思う。

最終更新日:2024-05-24 16:00:02

広告を非表示にするには