ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ 作品情報
じゅてーむもあのんぷりゅ
クラスキー(ジョー・ダレッサンドロ)とパドヴァン(ユーグ・ケステル)は、ゴミをトラックで運びながら町から町へと変転と移動する若者たちだ。人生に目的を持つわけでもなく、成りゆきにまかせてその日暮らしをしているという感じだ。そんな二人は仕事仲間というより夫婦といっていい程、息が合っていた。ある日、ガソリン・スタンドに寄った二人は、そこのスタンド・スナックで奇妙な女に出会った。始めは男の子と思ったくらいやせたショート・カットの無愛想な女ジョニー(ジェーン・バーキン)だ。彼女はケチでガスばかり発生する主人に反抗しながらも、仕方なくいつもハンバーガーを焼いている。クラスキーは、そんなジョニーに興味を持ち、この町にしばらく留まることに決めた。夜のダンス・パーティで、二人は踊り、感情が高まるのをお互いに感じる。ジョニーはその気になったのにクラスキーは、そのまま去ってしまった。実は彼はパドヴァンと肉体関係をもっており、女の子は愛せないのだ。それを知ったジョニーは、ショックを受けるが、でも必死でクラスキーに愛されようと努力した。二人がべッドを共にする夜は、ジョニーの苦痛の叫び声が響きわたる。一方、それまで女房面をしていたパドヴァンは、気が気でない。ジョニーが憎くてしょうがないのだ。そんな彼らを冷ややかに見つめるのは、白馬に乗って町から町ヘと流れ回っている不思議な若者(ジェラール・ドパルデュー)。ついに嫉妬にかられたパトヴァンがジョニーを襲う。ヒステリーを起こしたジョニーを残して、クラスキーはパドヴァンと街を去っていく。
「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」の解説
トラックでゴミを運ぶ仕事をしながら町を転々とする若者二人が、ふと立ち寄ったスナックで少年のような少女と出会い三人の間で複雑な恋愛感情が交錯するさまをムーディに描く。監督・脚本・音楽を担当したセルジュ・ゲンズブールが当時妻だったジェーン・バーキンと共に吹き込んだ同名のレコード・アルバムをヒントに映画化したもの。製作はジャック・エリック・ストラウス、撮影はウィリー・クラントとヤン・レ・マッソン、美術はテオバール・ムーリッスが担当。出演はジェーン・バーキン、ジョー・ダレッサンドロ、ユーグ・ケステル、ルネ・コルデホフ、ジェラール・ドパルデューなど。英語サウンド・トラック。2010年6月5日にデジタル・リマスター版が「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」と改題して公開。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1983年12月3日 |
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キャスト |
監督:セルジュ・ゲンズブール
出演:ジェーン・バーキン ジョー・ダレッサンドロ ユーグ・ケステル ルネ・コルデホフ ジェラール・ドパルデュー |
配給 | デラ・コーポレーション=シネマテン |
制作国 | フランス(1976) |
上映時間 | 90分 |
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ユーザーレビュー
総合評価:4点★★★★☆、1件の投稿があります。
P.N.「ゲンズブールのミューズ!」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2021-08-09
かつては、クリエイティブな仕事には、必ず、ミューズなる創造性を掻き立てる女神の存在がある。
映画監督、ミュージシャン、作家、画家。
今は、そうでもないかも知れないが、かつては、ミューズの存在が、かなり、重要だった。
この作品も、「恋は盲目」と言うテーマで描かれている。
ゲイのカップルは、「恋は盲目」を地で行き、一方は、盲目的に、ボーイッシュな女性を愛するナルシスト。もう一方は、欲情で生きる。二人とも互いに依存仕合い生きている。
「恋は盲目」だから、ボーイッシュな女性も、愚かだと知りながらも、少しの可能性に期待する。
やはり「恋は盲目」結末は、知れているが、彼女も、ゲイのカップルも、愚かな生き方を止められない。
ゲンズブールのミューズが、大胆で、天真爛漫なようで、この作品のキーパーソンとなる。
少し、アメリンカンナイズされた。「恋は盲目」な生き方をどうしてもしてしまう人間を少し皮肉った作品に仕上がっている。