少林寺 作品情報
しょうりんじ
隋の末期、中国ではワン将軍とリー将軍が激しく対立していたが、崇山の麓にある少林寺は聖地として人々に尊敬と畏怖の念を持ってあがめられていた。そんなある日、一人の少年・小虎(リー・リンチェイ)が少林寺の門前に半死半生で転がりこんできた。そして小虎は少林僧たちの手厚い看護でみるみる元気を取り戻していった。彼は黄河ほとりに砦を築き、多くの人々を奴隷のように扱うワン将軍によって父を殺され、やっとのことで逃げてきたのだった。元気となった小虎は寺男として働く一方、曇宗和尚(ユエ・ハイ)に拳法の教えを願い出たが、それには正式な僧にならねばならない掟があった。小虎は決意をし、修業僧として仏門に入った。しかし、毎日習うのは初歩的な型ばかり。兄弟子たちのような高度の技を修得するには何年かかるかわからない。ワンの非道な侵略はなおも続いている……業を煮やした小虎はついに寺をとび出してワンの陣営に向かった。そして、ワンと一対一の死闘を繰り広ろげるが、まだまだワンを倒すには力が足りず、ワンに捕えられていた曇宗の娘パイ(丁嵐)を助け出すのがやっとだった。自分の力不足を悟った小虎は再び寺に戻り、兄弟子たちとともに修業に励む毎日を続け、月日はまたたく間に過ぎていった。ある日、山で鍛練をしていた小虎はワン将軍に追われていた一人の男を救った。男はワン将軍と敵対するリー将軍で、二人は少林寺境内の聖域に逃げ込み、管長の助力によって難を逃れた。そして小虎はリー将軍を陣地へ帰すためにパイと協力し、監視の目をくぐり抜けようとしたが、寸前のところでばれてしまい、リーを逃すと一人で敵と戦った。しかし、圧倒的に多い敵に小虎の力もつき、もはやこれまでかと思われた時、曇宗と11人の少林拳士がかけつけ、小虎を助ける。そして曇宗は小虎に破門を言い渡す。一方、リー将軍の追跡をあきらめないワンは、リー逃亡の手助けをした罰で少林寺の管長を火あぶりの刑に処し、寺を焼き払うことを命じた。寺の危機を知った曇宗と11人の拳士は、急いで寺に戻り、ワン将軍率いる軍勢と死闘を繰り広ろげるが戦える僧の数があまりにも少なかった。また、破門された小虎も寺の危機とあっては見逃すわけもなく、曇宗らのあとを追って寺へ行き、戦いの輪の中へ……。戦いは果しなく続き、曇宗の精鋭拳士も一人、二人と次々に倒れていき、少林寺もこれまでかと思われた時、無事に逃れることのできたリー将軍が大軍を率いて現われ、ワン将軍とその兵を蹴散らし、少林寺の危機を救った。そして小虎は破門がとかれ、立派な僧となるのだった。
「少林寺」の解説
あらゆる武術のルーツといわれる少林拳の数々を駆使して、悪の手から少林寺を守る若い僧たちの活躍を描くアクション映画。香港と中国の映画界が初めて協力した作品で、製作は香港のリェー・イェット・ユエン。監督はチャン・シン・イエン、脚本はシー・ホウ、ルー・シャウ・チャンの共同で、撮影はチャウ・パク・リンが担当。出演は中国全国武術大会で5年連続総合チャンピオンの座についたリー・リンチェイ(李連杰)をはじめ、フー・チェン・チァン、チャン・チェン・フー、ユエ・ハイ(于海)、ユエ・チェン・ウェイ(于承惠)、チー・チュアン・ホワなどの本物の武道家と、ティン・ナン(丁嵐)、ファン・クァン・チュアンなど。英語タイトルは“The Shaolin Temple”。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1982年11月3日 |
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キャスト |
監督:チャン・シン・イエン
出演:リー・リンチェイ ティン・ナン ユエ・ハイ ユエ・チェン・ウェイ チー・チュアン・ホワ フー・チェン・チァン チャン・チェン・フー ファン・クァン・チュアン |
配給 | 東宝東和 |
制作国 | 香港(1982) |
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ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。
P.N.「研「磨」しうず高く「達」し壁」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2022-04-27
京劇風な演出が、どこかしら、いにしえの世界へいざなう。
今はあまり無い演出だからこそ、その世界観へ没入できる。
正に、「只管打坐」ただ座り、自ら無と一体化せよ!
研「磨」
してうず高く
「達」して
壁。
達磨大師のように、鉄壁の揺るがない自らが壁とするべく、
うず高く自らの精神を鍛え練り上げ=嵩
嵩山
少林寺。
少林寺の門下生が、何処と無く、甲子園球児の清々しさと凛々しさがあり、少林寺に関しての登場人物が、日本人に近い顔立ちと言うのも不思議な要素の一つ。
当時の日本と中国の文化交流のあつさが伺える貴重な作品。
世俗的な思考から行動するのではなく、無と一体化した鉄壁な境地からの行動は、狂いが無い。
腰を据え、只管打坐の如く、ただ、目の前に打ち込む、達磨大師のように、鍛え練り上げ(嵩)山の如く、鉄壁の如く自らを
「七転び八起き」。
不屈の精神とせよ!!