終電車 感想・レビュー 6件
しゅうでんしゃ
総合評価4.8点、「終電車」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-11-20
フランソワ・トリュフォー監督の「終電車」は、カトリーヌ・ドヌーヴの熟れた魅力が、全面開花した作品で、彼女の美しさがこの映画を支配している。
舞台女優という役もよく似合って、トリュフォーの映画にしては、異例な程、大人の官能に満ちている。
「突然炎のごとく」のような複雑な三角関係が描かれるのだが、大人の演技が出来る三人の俳優が組んでいるので、リアリティが感じられるのが、とてもいい。
舞台での恋人同士が、現実でも惹かれあい、この二人は実は地下の男に演出されているという、現実と芝居が交錯する二重三重のトリックが、実に面白い。
とりわけ、この三角関係の結末を演じるシーンが、実は舞台の上だったというオチに至っては、え?という感じなのだ。
トリュフォーは、いつもながらの映画のスタイルや技法を弄びすぎるきらいはあるものの、やはりフランス映画きっての技巧派である事を、この映画でも証明している
P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2020-02-28
そして,脚本,音楽,撮影,衣裳,時代考証等フランソワ・トリュフォー監督クルーの絶妙なensemble,ヒッチコック・タッチやジャン・ルノワール監督の名篇〈ゲームの規則〉見たいに目まぐるしい迄の登場人物の会話,配置にも注目したい
P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2019-05-16
映画「アメリカの夜 映画に愛をこめて」が実際の映画撮影所の舞台裏だとしたら,本篇の方は戦前のフランスの演劇の文字通りの舞台裏・内幕もの何だなあ。フランソワ・トリュフォー監督自身の自伝的要素や記憶とも結び付いてる点では映画「トリュフォーの思春期」にも重なる。恋愛感情ではヒロインが二人の男性を愛する名篇「突然炎の如く」にも近い。ナチスの足音が響く中の危険な状況下でヒッチコック・タッチなサスペンス劇のスタイルを踏襲してる