エレファント・マン(1980) 感想・レビュー 8件
えれふぁんとまん
総合評価4.6点、「エレファント・マン(1980)」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- なし
- 投稿日
- 2024-06-27
※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]
それは、見世物にも人間にもなりきれないという不幸を、背負っていたのかも知れない。
そして、エレファント・マンはやっと人間扱いされた時に、初めて自らの意志で死を選ぶのです。
それは私には、ある種、”甘美な死”に感じられた。
彼は命をかけて叫んだのだ。「私は、お化けではない。人間なのだ」と。
この、人間であるということは、彼にとっては”見果てぬ夢”だったのだ。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- なし
- 投稿日
- 2024-06-27
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それは、全て私たちの心の内側にある反応である。
私たちは天使でも悪魔でもない。あるいは、天使でも悪魔でもある。
野卑な好奇心も、他人の不幸を思いやる想像力も持っているのだ。
そういう意味で、登場人物が善玉悪玉に色分けされすぎていることには、かなり不満が残ってしまった。
エレファント・マンの不幸は、彼が醜い肉体に生まれついたことと共に、インテリジェンスを持っていたことだと思う。
自分と、世間とを映し出すインテリジェンスという”鏡”を持っていたことだと思うのです。
見世物であるためには、あまりにもインテリジェントでありすぎた。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- なし
- 投稿日
- 2024-06-27
※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]
この映画の冒頭は、そのイメージ・シーン。美しい女の顔のアップ。唸り声をあげて襲いかかる象の群れ。
戦慄を覚える、非常に怖いシーンだ。
19世紀末のロンドンの陰鬱な暗い街並み。
モノクロの画面はアンチック・カードのような暗い美しさに満ちている。
そして、見世物小屋から小びと、シャム双生児、巨人などのフリークに助けられて逃亡するシーンも、幻想的な美しさに満ちている。
産業革命当時の、鉄と火とじゅうじゅうと煮えたぎる水—-
これが冒頭の象のシーンとなぜか一つになって、荒々しい”恐怖イメージとなって、観ている私の胸に迫ってくるのだ。
私にとっては、これはエレファント・マンの醜い肉体よりも、もっと深い恐ろしさだった。
そして、エレファント・マンが目前に現われた時の、様々な人々の様々な反応。
恐怖の叫び声をあげる看護婦。好奇心をむきだしにする夜警や子供たち。
ひとすじの涙を流す外科医。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-06-27
この映画「エレファント・マン」を初めて観た時、奇形の人間が主人公の映画だとの前情報で、観るのをどうしようかと、ちょっとためらった思い出があります。
奇形、業病—-シチュエーションの異常さで見せる映画が元々嫌いで、不幸な人々を、ある種の見世物にして満足するような映画があまりにも多いから。
けれども、この映画はそういう”イージーな感動”を当てにした映画ではなかったのです。
頭巾を脱いだエレファント・マンを画面に登場させる時に、敢えてアップで撮らずに、遠景にした、そういうところにも、素材の異常さに頼っていない映画だということがわかって、好感が持てたのです。
世にも稀な奇形に生まれつき、「エレファント・マン」と呼ばれ、見世物にされていたジョン・メリック。彼は19世紀末のイギリスに実在した人物だと言われています。
見世物の口上では、奇形の原因は、母親が象に踏み倒されたためという(だが、本当のところは全くの原因不明なのだが)。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2023-11-30
この映画「エレファント・マン」は、実在した奇形の男の数奇な運命を描いた、人間愛ドラマの秀作だ。
19世紀末のイギリスで、"象男"と呼ばれ、見世物になっていたジョン・メリック。
外科医のトリーヴスは、彼を研究材料として、引き取り保護するが、この奇形の男が、実は豊かな知性と純粋な魂の持ち主であることを知り、自責の念とある種の友情が芽生えていくのだった。
舞台のヒット作を完全なオリジナル版として映像化した、デビッド・リンチ監督のオーソドックスな演出力が、実に見事で光っている。
この商業映画デビュー作は、オスカーの候補にもなり、静かなモノクロ画面に人間性の尊さ、善意の何たるかを問いかけた、感動作になっていると思う。
P.N.「あやりん」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2020-07-11
胸が締め付けられる思いです。
いろんな要素がごちゃまぜで見ていても見終わっても苦しいです。世間に見世物小屋が普通に有り障碍者の識字率が高くない時代に、実はあれだけできるのはもとは裕福な家柄なのかもしれません。知能が低い振りをして心を閉ざして生きていくのが一番だと結論付けるまでどれだけ苦しんだのだろう。今まで計り知れないくらい深く心を傷つけられ、さらに身体を傷つけられ過ごしてきたのか…と思うと涙がでます(TдT)
それなのに自分が生まれたことで母親が不幸になったと詫びたり、自分の外見を見て悲鳴をあげる人を恨んだりも傷つけたりもしない生き方。彼自身が、幸せと感じられた時間が少しでも長くあって欲しいと本気で思いました。…医者がアンソニーホプキンスだったのを改めて知り驚愕。
P.N.「雪風」さんからの投稿
- 評価
- ★★★☆☆
- 投稿日
- 2020-07-08
障害者、フリークス、精神疾患の人達を奇異の目で見て見下す、差別する。でもすごい才能、知識、知恵があるとわかったとたんに賞賛絶賛してチヤホヤして持ち上げる。見世物小屋やろうが病院やろうが好奇の目で見られるのは変わらないのです。メリックは本当に幸せやったのか。R2--D2のケニー・ベイカーさん出演していて、びっくりしました。
P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2018-11-20
スターチャンネルのギレルモ・デル・トロ監督コンプリート!特集で映画「シェイプ・オブ・ウオーター」を視ていて,本編や詩人ジャン・コクトー監督のモノクロ映画の名篇「美女と野獣」の飛翔せる其のロマン溢るるラストシーン等を思い浮かべていた。エレファント・マンが見せ物として盥回しされる姿はキングコングとも共通する悲劇だったけれど🦍