夜よ、さようなら 作品情報

よるよさようなら

マリー(ミュウ・ミュウ)は19歳のパリジェンヌ。ボーイフレンドと時間を過ごす平凡な女の子だ。彼女の父親はろくに職にもつかず昼間からカフェでカードをやっている。そのカフェにやって来たマリーは、そこで父親の知り合いらしき男の熱い視線を感じた。エレガントでハンサムなその男ジェラール(ダニエル・デュバル)とマリーの、それが運命ともいえる出会いだった。ジェラールは、派手な指輪や服などが示すように、娼婦のヒモで生活している男だった。しかし、一目で彼に魅せられてしまったマリーは、何の抵抗もなくジェラールの言うままに娼婦として淫売屋で働くことになった。そして、そのことは、父親も承知の上だった。ソフィという源氏名を与えられたマリーは、そこでマルー(マリア・シュナイダー)という、どこかなげやりでいながら魅力的な女の子と友だちになった。客の中には、様々なタイプの男たちがいた。そして、それらの男たちの相手をしながら、マリーは知らず知らずの間に一人前の娼婦になっていった。一方、ジェラールは次第に本性を見せはじめ、マリーをこきつかった。ジェラールの手をのがれてマルーとの生活をはじめたマリーは、しかし、ジェラールの差し向けた狂暴な男に乱暴され、ジェラールから離れられないことを実感した。次第に深く娼婦という地獄のような世界に落ちてゆくマリーは、時には、純朴そうな青年(レジ・ポルト)を知るようなこともあったが、実は彼も残酷な男でしかないことを知りさらに絶望するのだった。そして、心までは売ってはならないと自分に誓ったマリーは、遂に脆くジェラールをつき放し、足を洗う決意をした。そして、売春登録を抹消するために出頭したマリーは、係官にきつばり言つた。私にはヒモなどいなかった--と。これからマリーは新しい人生を迎えようとしていた。

「夜よ、さようなら」の解説

19歳で娼婦の世界に入った少女が様々な体験を通してその世界と訣別するまでを描く。女流作家ジャンヌ・コルドリエの自らの体験を基にした小説(読売新聞社刊)の映画化。製作はべンジャマン・シモン、監督はドキャメンタリー出身のダニエル・デュバル、脚色はジャンヌ・コルドリエ、クリストファー・フランクとダニエル・デュバル、撮影はミシェル・セネ、音楽はウラジミール・コスマ、編集はジャン・べルナール・ボニ、衣裳はコリンヌ・ジョリーが各々担当。出演はミュウ・ミュウ、マリア・シュナイダー、ダニエル・デュバル、ニエル・アレストラップ、ブリジット・アリエル、ジャン・バンギギ、マルティーヌ・フェリエール、マリー・ピレ、レジ・ポルトなど。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1980年8月9日
キャスト 監督ダニエル・デュバル
原作ジャンヌ・コルドリエ
出演ミュウ・ミュウ マリア・シュナイダー ダニエル・デュバル ニエル・アレストラップ ブリジット・アリエル ジャン・バンギギ マルティーヌ・フェリエール マリー・ピレ レジ・ポルト
配給 コロムビア
制作国 フランス(1979)
上映時間 113分

ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-06-02

そんな彼女に誰がしたと社会を告発した作だと思っていたけれどもヒロインのマリーが娼婦名ソフィー或いはファニーの名前と訣別する迄を辿る女性の自立の物語,「ヒモ何ていなかったわ!」と云う捨て台詞が潔い

最終更新日:2023-06-12 16:00:02

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