ザ・バルチャー 哀しみの叛逆 作品情報
ざばるちゃーかなしみのはんぎゃく
シモン(チェルミホルミィ・ジョージ)は新米のタクシー・ドライバー。大学を出て技師になったが、うまくいかず転職したばかりだ。ある日、葬式帰りの老婦人を2人、彼はタクシーに乗せた。ところが、道順に難クセをつけて、途中で降りてしまった。ふとサイフを見ると一万フォリントがすっかりなくなっていた。離婚と引越で尨大な借金をかかえた彼には打撃は大きい。上司には横領したと疑われ、全額用意できないと馘だと宣告される。警察に訴えても相手にされない。友達の紹介で“運転手福祉協会”のコワルスキという男を紹介されるが、何やら得体の知れない人物で、彼からの依頼ははねのけた。やがて女友達を訪ねるが、売れない歌手の彼女も無一文に近く、パトロンをベッドに誘って金を作るという有様だった。イヤ気がさしたシモンは、ふとした偶然から犯人たちの会話を思い出した。彼女たちが逃げた愛犬を捜すために新聞広告を出したという話だ。早速その広告を頼りに、例の老婦人、ハルモシュ夫人(テメシュ・ヘーディ)の連絡先をつきとめた。彼女の豪邸の前で実際に犬を届けに来た人を騙して犬を奪うと、ハルモシュ夫人に電話をして、一万フォリントの謝礼を要求するシモン。警察では、シモンの被害届けを調べていくうちに、'50年代に活躍した女スリの犯罪がクローズアップされ、捜査がはじまった。このスリは有名な葬式荒らしで“葬儀屋ミッチ”と呼ばれていた。手口からハルモシュ夫人の名が浮かび、そのことを聞いたシモンは怒った。貧乏人から金を盗んで豪邸に住むとは……。犬の謝礼を持って来たのは豪華な毛皮に身を包んだミッチの娘チェチリア(マリア・グロドコフスカァ)だった。母親の悪業については気づいていない彼女を郊外に連れ出し山小屋に縛り付けて、シモンは一人町に出た。離婚した元の妻や子供に会って山小屋に戻った彼は、チェチリアを解放した。彼女が小屋から出た直後、彼はガス栓を開け火をつけるのだった。炎上する山小屋……。
「ザ・バルチャー 哀しみの叛逆」の解説
初老の女スリに有金全部を盗まれた借金だらけのタクシー・ドライバーの屈折した姿を描く。監督はアンドラシュ・フェレンツ。ムンカーチ・ミクローシュの原作を基にフェレンツとムンカーチ・ミクローシュが脚色。撮影はロガイ・エラミール、音楽はコバーチ・ジョージが担当。出演はチェルホルミィ・ジョージ、テメシュ・ヘディなど。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1986年5月24日 |
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キャスト |
監督:アンドラシュ・フェレンツ
原作:ムンカーチ・ミクローシュ 出演:チェルホルミィ・ジョージ テメシュ・ヘディ マリア・グロドコフスカァ Perczel Zita |
配給 | 新日本映画社 |
制作国 | ハンガリー(1983) |
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