ヒート(1972) 作品情報
ひーと
20世紀フォックスの撮影所がショッピング・センターになった夏、元子役スターのジョーイ(ジョー・ダレッサンドロ)はサンセット大通りの安モーテルにチェックインする。彼はロックシンガーを目指してLAに戻ってきたのだが、音楽に熱中するよりは適当に世の中を渡っていくタイプで、女主人のリディア(パット・アスト)にセックスと引換えに宿賃を値引きさせる。モーテルでレズビアンの恋人と同棲するジェシー(アンドレア・フェルドマン)は以前にジョーイも共演したことがある元スター女優サリー(シルヴィア・マイルズ)の娘で、大麻でラリったときに出来たという赤ん坊を連れて家出しており、いつも母に金をせびっている。彼女はジョーイを母サリーに会わせ、サリーはすぐに彼とのセックスの虜になる。彼を自分の大邸宅に住まわせてハリウッドの有力者に紹介しようとするが、売り込みはうまくいかない。ジェシーの恋人は彼女がジョーイとできていると思い込んで自殺未遂した。モーテルには兄弟でホモ・ショーをやっている二人組がおり、ジェシーは兄の方と話しているうちに、知的障害でいつもマスターベーションをしている弟のペニスにしゃぶりつく。レズビアンをやめたジェシーは母の屋敷に戻り、今度はジョーイに手を出す。サリーは金や娘の教育問題のことでジェシーの父のシドニー(レスター・パースキー)に会いにいく。たちまち喧嘩になり、彼らはジョーイとジェシーを客間に残して二人だけで話し合うことにする。残された二人のところにシドニーの“同居人”の男ハロルド(ハロルド・チルド)が現れる。サリーが客間に戻ると、ハロルドがジョーイの股間に顔をうずめ、そばでジェシーがげらげら笑っていた。サリーがベッドでジョーイをなじると、彼は彼女の必死の懇願も聞かずに出ていってしまう。モーテルのプールでジョーイがビキニ姿の女と仲良くしていると、サリーが駆け込んできて彼に拳銃をむける。だが弾が入っておらず、彼女は彼を罵って拳銃をプールに投げ込む。
「ヒート(1972)」の解説
ポップ・アートの先鋭的旗手アンディ・ウォーホルが中心となって作られた劇映画の一本で、元子役スターとその周囲の人々の乱れた性生活をドライなタッチで描くブラックなセックス・コメディ。監督・脚本・撮影はウォーホルのもと『Flesh』で監督デビュー、『Trash』に続いて本作を手掛け、後に「フレッシュ・フォー・フランケンシュタイン」(旧邦題『悪魔のはらわた』)、「ブラッド・フォー・ドラキュラ」(旧邦題『処女の生血』、テレビ放映『アンディ・ウォーホルのドラキュラ』)を監督することになるポール・モリセイ。製作のアンディ・ウォーホルは『Empire』などの実験映画を多数発表したが、『Flesh』から劇映画に手を出すとともに、直接の監督はモリセイに任せた。音楽はヴェルヴェット・アンダーグラウンドの元メンバーで、最近では「パリ・セヴェイユ」などの映画音楽を手掛けたジョン・ケイル。出演は主人公のセックスを道具に適当に世の中を渡っていく元子役スターに、ウォーホルに見初められてその映画の多くに主演、後に「ジュ・テーム、モワ・ノン・プリュ」「夜明けのマルジュ」などに主演したジョー・ダレッサンドロ、「真夜中のカーボーイ」のシルヴィア・マイルズほか。『アンディ・ウォーホルのヒート』の題でテレビ放映されたが、「フレッシュ・フォー・フランケンシュタイン」「ブラッド・フォー・ドラキュラ」の再公開にあたって初めて劇場公開された。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1995年6月10日 |
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キャスト |
監督:ポール・モリセイ
出演:ジョー・ダレッサンドロ シルヴィア・ミルズ アンドレア・フェルドマン ハロルド・チルド パット・アスト Ray Vestal レスター・パースキー Eric Emerson |
配給 | コムストック |
制作国 | アメリカ(1972) |
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