ゾンビ 作品情報
ぞんび
20世紀末、アメリカ。大爆発を起こした惑星から発せられた特殊な光線により、死者が甦り、生者に襲いかかり、大パニック状態が起きていた。フィラデルフィアのスラム街。虐殺されたプエルトリコ人の死体が置かれている地下室に足を踏み入れたSWAT部隊のロジャー(スコット・H・ラインガー)は、同じく隊員で黒人のピーター(ケン・フォーレ)と共に、甦る死者の頭に弾丸を撃ち込んだ。死者が生者を襲うという異常な光景を目の当たりにしたロジャーとピーターは、テレビ局で働いている友人スティーブン(デイヴィッド・エンゲ)とその恋人フラン(ゲイレン・ロス)と共にヘリコプターで、その町から逃れた。上空から見ると、地上では死者たちが、生者の肉を求めて行進しており、この状況はどこへ行っても続いていた。ひとまず、巨大なショッピングセンターの最上階の小部屋に陣取り、武器と食料を確保した。日がたつにつれ、死者達がふえてきたショッピングセンターの入口を、巨大なトラックでふさぐことにしたが、そのトラックを運転中のロジャーが死者に襲われ、片腕を失い、ついには死んでしまう。ある日、死者と闘い抜き、狂気の徒と化した一団が、ショッピングセンターを襲った。彼等は死者の首をはね、剣で目を突き、残酷の限りを尽くしたが、死者の群れに抗しきれず、食いちぎられてしまった。ついに、エレベーターの中でスティーブンが死者に殺された。甦ったスティーブンは、生者の肉を求めてピーターとフランのいる部屋へ昇ってきた。スティーブンに引き金を引いたピーターは、言い知れぬ思いで、フランと共にヘリコプターに乗り込み、死者の群れをあとに飛びたつのであった。
「ゾンビ」の解説
ある惑星の大爆発の影響で地上の死者が甦り、生者の肉を求めて彷徨するというSFミステリー映画。製作はクラウディオ・アルジェントとアルフレッド・クオモ、監督は日本初登場のジョージ・A・ロメロ、脚本もジョージ・A・ロメロ、撮影はトム・サヴィーニ、音楽は「サスペリア2」のゴブリンが各々担当。なお、ダリオ・アルジェントが製作に協力している。出演はデイヴィッド・エンゲ、スコット・H・ラインガー、ケン・フォーレ、ゲイレン・ロスなど。ヨーロッパ向けにダリオ・アルジェントが監修した119分版を元に日本独自の編集を行った日本劇場公開版。アメリカ公開版は127分。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1978年3月10日 |
---|---|
キャスト |
監督:ジョージ・A・ロメロ
出演:デイヴィッド・エンゲ スコット・H・ラインガー ケン・フォーレ ゲイラン・ロス |
配給 | 日本ヘラルド映画 |
制作国 | アメリカ イタリア(1977) |
上映時間 | 115分 |
ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。
P.N.「征」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2025-08-19
ゾンビ映画と侮るなかれ。
この映画は自分の中の物質主義という価値観を一掃した。
何でも手に入るショッピングセンターに愛する人と共に立てこもり、子供も産まれるという一見すると幸せなシチュエーション。に、思えるが。主人公は全く幸せではない。
なぜなら外はゾンビだらけ。
自分たちは安全な場所にいて必要な物は揃い日常的な心配はないとしても、周りがそうじゃなかったとしたら…。きっと幸せにはなれない!ということに気付いた。
金がいくらあろうが欲しいものが手に入ろうが愛する人が側にいようが、周りにいる人々が苦しんでいるのなら幸福は成立しないんじゃないか、と、この映画を見て思った。
ゾンビという怪物を通した格差社会の風刺だと自分は思っている。